せっかくだし「ぜひ~」みたいな感じで喜んだのだけれど、しかしわたしのスタンスはさっき書いたみたいな感じなので、心の中はふつうに冷静、わたしにとっての非日常&ちょっとしたアトラクションを楽しむ、みたいな感じだった。

 わたしにはミミというアシスタントの女性がいて、彼女も占いにかんしてはわたしと似たようなスタンス。案内されてふたりで一緒に座ろうとすると、ミミは外で待っているようにぴしゃりと指示され、わたしと占い師の先生は白い布で覆われた空間で、しーんとした感じで、ふたりきりになったのだった

一瞬で前のめり&だだ漏れになっているわたし

 そしたら、もう、あかんね。

 何があかんって、「なんでこんな速攻でずるむけになっとんねん」と突っ込む暇もないくらいに、もう、なんか、せきをきったみたいに、心がわーっと、いきなりだだ漏れになってるんである。なんなんだろう……頭の中では、占い全般に対してはさっき書いたような考えをしっかり持っているはずなのに、なんか、背筋とかしゃきっと伸びて、「お言葉、ちょうだいいたします」みたいな感じになって、一瞬で前のめりになってる自分がいるのである。

 で、何が気になっていますか……、みたいなことを静かに聞かれると、出るわ出るわ、ふだん自分自身にたいしても言葉にしないような不安のあれこれが、まるで「心のあかすり」のごとくもう、めいっぱいにあふれでてくるんである。それは別人格が「よくぞ、よくぞきいてくれました」みたいな感じで現れたかのよう。

 それで、そのだだ漏れ人格のわたしによると、やっぱり仕事のことがいつもいつでも気にかかっているらしく、「わたしはこの先も、書いていけますでしょうか、というのも、子どもを産んでもう数年経つというのに、未だにバランスがとれなくてどうしたらよいのか、気が狂いそうでございます」とか、完全に全力でもたれかかる&すがるようなあんばいで質問をしているのである。