初女さんからのメッセージ

 佐藤初女さんの言葉を、『いのちをむすぶ』(集英社)から抜粋してお届けします。

ともに在ること

ともに食すことは、ともに在ること。
どんなに言葉を尽くして話すより 深いところで通じ合えます。

癒し

人の心はたいへん深いものだから 人に人は癒せないと思うのです。
癒しとは、自らの気づきによって心を解放したとき はじめて得られるものでないでしょうか。

生きる姿

調理には生きる姿があらわれます。(略)
「忙しくて時間がない」と言う人もいますが、そうでなく できないなりに〝なにができるだろうか〟と考えると
必ずなにかしら方法がみつかります。
〝やろう〟と決めて、始めてしまえばいいんです

そーっと

「皮むき器でシャーッとむけば早いのに」 と言われるけれど
にんじんも痛いんでないかと思うから にんじんの姿にそって包丁でそーっとむくんです。

足もとに

なにかをしたいという思いに駆られると 外へ外へと求めて、足もとのことがおろそかになりがちです。
いちばん大切なものは、実は身近にあります。

ちょっとお休み

人間関係で行き詰まったときや 進もうとしても進んでいけないときは 
心を騒がせず、しばしそこにとどまって休みます。
煮物と一緒ですよ。 時間を置くと味がじんわりふくまれておいしくなりますでしょ。