子育てと仕事の両立を図りながら、充実した毎日を送っているパパ達の育児と仕事の両立を探る「共働き夫・イクボス四天王2017特集」の第3回。

 今回ご登場いただくオムロン株式会社の大野泰和さんは、8歳の女の子、6歳の男の子、4歳の双子の女の子の4人を子育て中。妻とは状況を共有し、しつけについてもしっかり話し合うことで乗り越えてきたといいます。また、4人の子育てには「周囲の協力」も欠かせないとか。大野さんが実践している「職場ぐるみの子育て」ノウハウを伺いました。

【共働き夫・イクボス四天王2017 特集】
第1回 パタハラ問題はイクメンのステージが一歩進んだ証拠
第2回 フォロワー3000人ツイッターパパのパタハラ迎撃策
第3回 子が4人のオムロンパパは妻ファーストで家庭を回す ←今回はココ
第4回 下の子入学、ここから巻き返しを図る公務員パパ
第5回 P&Gのイクボスは育児優先で部下とウィンウィン

大野泰和さん 36歳オムロン株式会社
技術・知財本部 組込システム開発研究センタ パワーエレクトロニクス研究室主査
残業時間(月平均): 10~15時間
子ども: 8歳(女子)、6歳(男子)、4歳双子(女子)
妻の勤務状況: パートタイム

子ども同士のケンカは、両者が納得するまで時間を費やす

 現在、4人の子どもを育てています。共働きで4人もいると、限られた時間のなかでやらなければいけないことを回すだけでカツカツです。その状況下において、子ども達は想定外のことを色々としでかしてくれます(笑)。

 いつもハラハラドキドキするのが、出掛ける直前のトラブル。最近、双子の娘は、それぞれの個性が出てきてこだわりも強くなっています。どの鞄を持っていくかでケンカになり、どちらも譲らず言い合い、罵り合い。挙句の果てには「もうお出掛けしないっ!」と機嫌を損ねることも度々です。

 そういうときは、妻か私が間に入って話を聞くのですが、両者の納得を得るまでにかなりの時間を費やすこともあります。

 先日は、地元のハロウィーンパーティーに連れて行く際、出発直前にケンカが発生。駄々をこねたほうの娘は妻と話し合いをすることになり、私は残り3人の子どもを先に連れて出掛けました。どうやら準備された仮装の衣装が気に食わなかったらしく……。結局、妻が20分遅れで連れてきて、ようやく家族全員が集合となりました。

4人のパパになり、妻の復職後は“イクメンもどき”を廃業

 第一子が生まれたとき、妻はフルタイムの正社員。私も家事・育児に参加すべきだと思い、積極的に関わってきました。

 双子を妊娠後、つわりが原因で妻はいったん、会社を退職することになりました。産休をとることも検討しましたが、双子の出産や、今後の予定があまりにも不透明だったことから、退職を決意したのです。

 ただ、妻は働くことで社会とつながりを持ちたいと考えていましたし、私自身もそれを応援したかったので、妻の復職は視野にありました。

 その機会は、双子が生まれた半年後に訪れました。生活のリズムが整い、4人の子どもがいる生活もある程度イメージができたため、共働きでどのように育児に関わっていくか、2人で話し合いを重ねました。そして、以前、勤めていた会社の担当者と、さまざまな可能性を議論し、パートタイムでの復帰を決めたのです。

 妻が復職してから、分かったことがあります。双子が生まれるまで、自分は「イクメン」だと思っていました。でも実際には、それまでの私は「イクメンもどき」で、「やっている」と思っていた家事・育児は、表面的なものだったと気がついたのです。

 子どもと一緒に遊ぶことは進んでしていましたが、注意したり、叱ったりなど、子どもに嫌われるようなことは妻任せ。言うなれば「いいとこどり」です。子どもを甘やかすタイプの父親だったことに気づき、子育てというものにもっと責任感を持って、深く関わらなければと反省したのです。

 また、子どもが4人になり、家事・育児も、これまでと同じやり方ではとても回らないことが分かり、妻と話し合って私の分担を増やしました。この分担は、今後も、互いの勤務状況や、子ども達の状況を見ながら、見直す必要があると思っています。

<次ページからの内容>
・自分の時間が作れたら、妻のために費やす
・発熱などの突発案件には夫婦で対策会議を開く
・予定表で家族の状況を職場に伝える
・業務一つひとつのデッドラインを決めて集中力アップ

次ページから読める内容

  • 妻の負担軽減にむけて、役割のオーバーラップを柔軟に実施
  • しつけの方針を夫婦で合わせたら子どもが変わった
  • 子どもの発熱など突発緊急案件には、夫婦で対策会議
  • 職場イベントに子どもを連れていき“顔見知り作戦”を遂行
  • 業務一つひとつのデッドラインを決め、集中力を高める
  • 子どもから勇気をもらい、自分の励みに