母子手帳・お薬手帳・緊急カードを常に携帯。母子手帳記録はクラウドへ

 普段からバッグのなかに、「母子手帳・お薬手帳・緊急カード・食物アレルギーがある子ならアレルギー対応の非常食」を、持ち歩いていてほしいと思います。東日本大震災のときは、予防接種の記録が書かれた大切な母子手帳が津波で流されてしまった人がたくさんいました。

 母子手帳やお薬手帳は写真を撮ってクラウドに上げたり、自分宛にメールを送ったり、コピーを取って持ち歩いておくのがおすすめです。予防接種や服用中の薬の記録など、自分の子どもの健康情報を肌身離さず持っておくことで、スムーズに医療を受けることができます。

 そして、子ども専用の非常持ち出し袋を作り、子どもが普段から使っている湿疹の塗り薬や風邪薬、安心できるタオル、おもちゃ、キャンディなどをまとめておきましょう。「これがあれば子どもが安心する」というものを備えておくと、災害時にはなぐさめになります。

 食物アレルギーは命に関わる大切なことですが、避難所で対応ができないことも想定して、少量でもいいのでアレルギー対応の非常食を備えておくと安心です。東日本大震災の際には、「避難所でアレルギー対応を求めるなんて、わがままと思われるのではないか」と遠慮して、母乳だけを与え続けたり、水とお菓子だけでしのぐ、というお母さんもたくさんいました。

 以下のツールもぜひ活用してください。

妊産婦さん、小さなお子さんを持つお母さんのための災害時の対策ブック
助産師が伝える災害時の知恵ぶくろ
http://www.midwife.or.jp/pdf/chiebukuro/chiebukuro_280420.pdf

赤ちゃんとママを守る防災ノート
https://cloud.niph.go.jp/fileshare/download?file=kg6X0Qc6Ey2ciLETz7Hy

保育園ママの携帯・メールアドレスは交換しておく

 私自身の苦い経験からアドバイスをさせていただきます。東日本大震災のときまでは、私は保育園のママ友とは挨拶は交わすものの、個人的に電話番号やメールアドレスの交換はしていませんでした。震災のとき、私はすぐに保育園に子どもを迎えに行くことができましたが、そのとき、お母さんを待っている不安げな子どもがいました。私はその子のママの連絡先を聞いていなかったことを後悔しました

 多忙な保育園ママ同士、挨拶程度で深い付き合いをしていない人も多いかもしれませんが、災害時にすぐにお迎えに行くことができるとは限りません。ママ友同士のつながりがあれば、先に迎えに行ったママが子どもを連れて帰って、子どもは友達家族の家で安心して待つことができますよね。

 地域のコミュニティーを大切にすることは、災害時はもちろん、普段からも何かの助けになってくれるのではと思います。そういう関係を築いておくことも大切だと思いました。