結婚すると旧姓の銀行口座が、なぜ許されないのか

 選択的夫婦別姓も当たり前のように認められるべきと思っています。結婚したら、自分のこれまでの苗字で口座を持つことがなぜできないのか、という当たり前の要求に対して、社会があまりにも鈍感です。男性からしてみたら「わがまま」「たかが苗字」という意見もあるみたいですけど、それは女性のわがままですか? そういう意識を取り除かないと。そういう感覚が横行しているうちは、この国は女性に冷たい国です。

 たかが名前ではない。自分という存在であり、絶対的なアイデンティティー。女が良い、と書くと「娘」で、女が家、と書くと「嫁」で、女が古くなると「姑」、という漢字文化がありますが、その意識をどうにか乗り越えたい。言葉って大事なんです。「家内」といわれると時代錯誤を感じる。

―― 最後にお母さん達にメッセージをお願いします。

蓮舫 繰り返しになりますが、子育ては大変さ以上の喜びが、必ず返ってきます。そうすると、あのときにもっと抱っこしてあげればよかったな、と思うんです。私も何か足りなかったかな、と後悔することがあります。だから、子育てが大変!という考え方を、すべてのお母さんに変えてもらいたいし、障害になっていることがあれば、制度設計で変えるべきだと思っています。

 子どもが育った今、私は最高に幸せです。立派に育ってくれたので。子どもが小さいときは、「辛い!」というほうが前面に出てしまうけれど、本当に楽しんでもらいたいと思います。

(取材・文/日経DUAL編集部・砂山絵理子 撮影/鈴木愛子)