民進党の蓮舫代表は、双子の息子さん・娘さんを育てたお母さんでもあります。お子さんが大きくなった今、子育てをどのように振り返っているのでしょうか。お子さんが小さいときの子育てや、小学校のPTAなどの仕事、思春期、お子さんの将来などについて、子育ての方針や関わり方をお伺いしました。そして、世の中の女性が生き生きと働き生活するために、必要なこととは――。インタビューを2回に分けてお伝えします。

双子の息子・娘は19歳に。子ども達の成長がうれしい

日経DUAL編集部 お子さんが大きくなった今、振り返って、子育てが特に大変だった時期はいつでしたか。

蓮舫代表(以下、敬称略) いま双子の子ども達は19歳になりました。わが家は夫がフリーランスで、私の母親が同居していましたから、子どもが急に熱を出したときなどは、夫や母親に面倒をみてもらいやすい環境でした。また政治家という仕事柄、自分の裁量で仕事を進めやすいことは、よかったと思います。委員会や本会議のとき以外は、国会議員はある程度、時間を弾力的に決められるので。

 私は、子育てで特段、大変な時期があったとは思っていません。

 メディアも世の中のお母さんも、まず「子育ては大変」という視点から話を進めますが、私は子育てが大変なもの、という前提に立って話をすることは好きではありません。たぶん、パーツパーツでは大変なことはあると思います。仕事がある日に子どもが熱を出す、インフルエンザにかかって一週間休む、出張のときに預ける人がいない・・・など。でもそれは、そのときそのときに解決していけばいいことです。

 なぜそう思うかというと、子どもを育てると、苦労以上の喜びが、必ず返ってくるからです。

 息子とスーパーに行ったときに、そっと手を伸ばして荷物を持ってくれた。そのとき、息子の3歳のころがフラッシュバックします。あなたの木の棒とかセミとか石とか、全部、私が持っていたのに、と。それが今、普通に荷物を持って、ドアを開けてくれる。そんなささいなことですが、ママとしてこんなに子どもを育てていてよかったと思うことはない。

 娘が、化粧品はこれがいいんだよ、パックはこれがいいんだよ、と教えてくれたときに、なんでこんなことまで教えてくれるように育ったんだろう、と感動する。そうすると、小さかったあの日、もっと抱っこしてあげればよかったな、と思うんです。だから、今の子育てが大変!という考え方を、すべてのお母さんに見つめ直してもらいたいし、その不都合が法律にあるのであれば、それは国会の中でやるべきことです。

 おむつが取れない子どもはいないし、歯が生えない時期が続くこともないし、子どもはだんだんに丈夫になって、自立していきます。高校に入学したら口もきいてくれなくなったりします。その前、人生のなかの13~14年、自分の人生よりも、優先することがあってもいいと思います。

 私は子どものためだったら何でもする、と思ってきました。子育てで大変な時期、睡眠時間を少しくらい削っても倒れないと思います。自分の体力づくりのため、食べ物にも気を使い、トレーニングもしていました。あとは力の入れ方と抜き方を、自分と向き合ってどれだけできるか、でしょうね。