とがめられ続けると、愛情が実感できず不信感が募る
前回、否定的な言葉を常に浴びせかけることによる弊害が3つあるとお話ししました。1つ目は、子どもが自己肯定感が持てず、自己イメージが悪くなり、頑張ったり努力したりすることができなくなること。今回は、残りの2つについて説明したいと思います。
「またあれをしていない!」とか、「しなきゃダメでしょ!」と言われた途端に子どもは不愉快になります。それはそうですよね。なぜなら、やっていない自分が「とがめられた」「責められた」「批判された」「非難された」と思うからです。
そう感じた瞬間、子どもは心を閉ざしてしまいます。ガラガラッとシャッターを閉じて、もう、店じまいをしてしまうわけですね。もちろん、頭では分かっているんですよ。ママやパパが言っていることが正しいということを。でも、自分は強い口調でとがめられたり非難されているものですから、言われれば言われるほど、ますます素直になれなくなってしまうのです。
それどころか、逆のことをやってしまいたくなってしまうこともあるでしょう。「なにくそ、ママ(パパ)が言うようにやるもんかっ!」となってしまうんですね。親がガミガミ言えば言うほど素直さがなくなって、ヤル気も喪失してしまうのです。
さらに、ガミガミ言われ続けると、子どもの中に、ある疑念が生まれます。それは「お母さん、私のことがあまり好きじゃないんじゃないか?」とか、「お父さん、僕のこと、嫌いなのかな」といった気持ちです。この疑念から、子どもは愛情不足を感じるようになってしまい、親に対する不信感を持ってしまいます。こうなってしまうと、さらに素直になれません。必要以上に、親に対して反抗するようになります。
皆さんはもちろん「愛があるからこそ」と思って言っていることでしょう。しかし、それが否定的な表現で、わが子をとがめるような感じであれば、愛情や信頼とは正反対のものを子どもたちは受け取ってしまう。愛情を実感できないようになってしまうのです。