VTRで見たときのインパクトも重要!?

 第9回までの応募総数はなんと6584作品! 毎年、たくさんの応募の中からどのような審査が行われているのでしょうか。番組の担当ディレクターの木村 憲さんにお話をうかがいました。

「これまでの最高応募数は2014年の1381作品。その中から番組で紹介できるのは約20作品で、番組スタッフ20名ほどで行う書類と映像による2回の審査を通過した厳選された優れたアイデアだけです。実は、この一次書類審査の前に3~5人のスタッフだけで、プレ審査が行われています」(木村さん)

 これまでの作品と類似したアイデアなどを事前にふるい落とすことが主目的だというこのプレ審査、時に白熱した議論となることもあるそうです。

「プレ審査の書類の段階で、たった一人だけが残したいと強く主張したアイデアが大賞をとったことがあります。2012年、第6回『わんわんのお散歩』です。近所の人が犬の散歩をしているのをうらやましそうに見ていた孫のために、おじいちゃんが考えたアイデアで、長さ15cm、直径5cmほどの丸木に本物の犬のリードをつけただけ。写真と文書の説明だけ見ても面白さが全くわからない。でも、VTRで見ると、これがとても面白かったんです。

 子どもは大喜び、おじいちゃんも大満足。審査員も会場のみなさんも大笑いの素晴らしい作品でした。そして、結果は大賞です。プレ審査には、このように見落としてしまいがちなユニークなアイデアを救う目的もあるんです。ディレクターの“直感”も重要になるため気が抜けません」(木村さん)