「宿題に取りかかるのが遅い」「テストの成績が下がった」を解決!
セミナー会場の様子
一般的に小学校3年生の2月から大手塾に通い始め、約3年間かけて準備をする中学受験。その間、すべてが順調という家庭はまれで、多くの家庭では大なり小なりの悩みを抱えていることでしょう。中学受験のプロ家庭教師・西村則康先生と、中学受験専門の個別指導塾を運営している小川大介先生のもとには、様々な悩みを相談にやってくる親御さんが後を絶ちません。
今回はその中でもよくある相談を取り上げ、理想の対策をアドバイスしていただきました。もちろん、子どもは一人ひとり性格が違うので、すべてにおいて当てはまるというわけではありませんが、ぜひ参考にしてみてください。
【西村先生のアドバイス】
西村則康先生
宿題にすぐに取りかからない子というのは宿題に対して「大変だ」「あ~、イヤだな」などというマイナスのイメージを持っています。でも、皆さんもこんな経験をしたことはありませんか? 山積みの仕事が目の前にあると、今すぐ取りかからなければならないことは分かっているのに、なかなか気が進まず途方に暮れてしまう。でも、一つ片付けたら気分が乗ってきて、その後はぐんぐんはかどったりするものです。子どもの宿題もそれと同じ。始めるきっかけを作ってしまえばいいのです。
まずは短時間で終わりそうな簡単な計算から取りかからせてみましょう。10分ほどで終わったら、「わー、すごい! こんなに速く計算ができるようになったんだ。感心しちゃう」と少し大げさに褒めます。すると、子どもは気分がよくなり「じゃあ、こっちの宿題もやろうかな」と自分から進んで勉強をするようになります。
大事なのはきっかけ作りです。
【小川先生のアドバイス】
小川大介先生
親御さんにとってはとても深刻な悩みだと思います。でも、私なら「それを今気づけてよかったですね」とお伝えします。「一生懸命勉強をしているのに、成績が急に下がった」ということは、これまでの勉強が通用しなくなったことを意味します。親御さんが心配になって相談に来たのは、その異変に気づいたということです。そして、それはこれまでの勉強のやり方を変えるチャンスのサインでもあります。
4年生までの勉強は、いわゆる基礎学習に当たり、例えば算数であれば公式さえ分かっていれば解ける問題が出題されます。また、理科、社会においては暗記でどうにかなります。しかし、5年生になると応用問題や発展問題が出てくるため、ただ暗記するだけの勉強では通用しなくなってしまうのです。知識を定着させるには「なぜそうなのか?」という理由をきちんと説明できるまで、自分自身が納得できている状態でなければなりません。
また、学年が上がるにつれて、知識だけではなくその知識を使って考える力が求められるようになります。そのときに必要なのが、西村先生がよくお話になる自問自答です。問題を読んだ後、「今何が分かっているの?」「何が聞かれているの?」「何を書けば解けそう?」と自分自身に問いかけながら、思考を整理し、考える癖をつけさせましょう。こうして学び方を変えていくことが大事なのです。
次ページから読める内容
- 「自信喪失中」「反抗期!」子どものメンタルとの付き合い方
- 実はお母さんの悩みで一番多いのは「父親の口出しが正直ジャマ!」
- いい先生は不安をあおるのではなく、うまくいく道筋を示してくれる
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