「子育ては一人でやる」と最初から決めていた

 長期間の育休を取る人が周囲にいない中で、1年間しっかり休みを取りました。仕事復帰や保育園のことを考えると、あとで苦労するだろうということは十分に分かっていましたが、娘を自分の手で育てたいという思いが強かったんです。妊娠中にあれこれ悩んだ反動もあったのかもしれませんね。

 娘とは1日中2人でべったり過ごしていましたが、次はこんなことをして遊ぼう!とアイデアがどんどん湧いてきて、子育てに息詰まるようなことはありませんでした。

 テレビをつければ同期や後輩のアナウンサーが活躍していました。でも、その姿を見てもまったく焦りを感じませんでした。ずうずうしい性格ですよね(笑)。それくらい、娘と一緒にいられる時間が充実していたし、楽しかったんです。

 日経DUALを読むと、「共働きでも子育ては一緒に」という記事が多いので、こういう話は時代に逆行しているかもしれないのですが……。

 子育てに関しては、最初から自分一人でやろうと決めていました。当時、夫は仕事が忙しく、長期で出張に出てしまうこともありました。夫婦ともに地方出身で、周りに親類縁者もいないし、誰にも頼れない状況。もう、すっぱり割り切りました

 だから「夫が何もしてくれない」とか、「保育園の送り迎えもやってくれない!」なんて不満を覚えることもなかったし、たまの休みの日に娘と夫が遊んでいる姿を見ると「ありがたいなー」なんて思えてしまうほどでした。わが家だけが特別だったのではなく、1990年代後半はまだまだ「子育ては母親が中心」という感覚が一般的だったような気がします。

 イクメンという言葉も、そのころはまだありませんでした。「母親一人で」というと、とても大変なように聞こえますが、私の場合、自分のやりたいようにやれることでストレスがたまらなかったんです。人それぞれかもしれませんが、私には合っていたんだと思います。

 ちなみにこの数年後、夫は「カジメン」へと驚異の変貌をとげるのですが、これについては次回以降にお話しさせていただきますね。

「いつも私にぺったりくっついて離れなかった娘との1枚」(堀井さん)
「いつも私にぺったりくっついて離れなかった娘との1枚」(堀井さん)