十分に生かされていない人口の半分の力を掘り起こす

―― 今日は幅広い年代の方がお越しで、中には現場でリーダーを務めている方もいらっしゃいます。小池さんは女性ならではの力を生かすことについてどうお考えでしょうか。

小池 東京都には警察や消防、学校の先生といった現場の方も含めて約17万人の職員がいます。事務職の方達が多くいる新宿の都庁では、約1万人が働いています。行政系職員全体の中で女性の職員は3割を超え、管理職では18%を占めている。私はこの比率が他の職種や霞が関と比べても、すごく高いと思っているんです。

 管理職を目指すときは、ちょうど結婚や出産といった人生の節目が重なります。そこでいったん離れると、企業であればもう帰ってこなくていいよという雰囲気が実際にあったりもしますが、公務員にはないわけです。であるならば、私は東京都の女性トップとして、素晴らしい能力を持っておられる女性の力をもっと生かして差し上げるような、いろんな機会をつくりたいと思っています。

 今、3週間に1度くらい、定期的に女性の管理職の方々と「女子会」と称し、ランチ会を開いています。お昼に知事室でお弁当を食べながら、「どんな仕事をしているの?」「何が問題?」「何がやりたい?」とざっくばらんに話すのです。

 私はこの日本の社会はもったいないと思うんです。女性がもっと力を発揮できるのに、その場が十分に確保できていないし、子育てに結婚、それ以前に出会いの機会、と女性を取り巻く環境も厳しい。

 女性の働く環境を整えるということは、十分に生かされていない人口の半分の力を掘り起こすということ。それが、これからの日本の未活用エネルギーを生かす最大の方法だと思っています。

―― 第3回へ続きます!

(文/谷口絵美 写真/花井智子)