3歳~5歳での待機児童ほぼゼロを達成できた秘訣とは?
小規模保育や保育ママなど、0~2歳児を対象にした保育所の種類が増えたが、こうした保育所に入れたとしても、3歳になる前に再び保活が必要になる。これが「3歳の壁」だ。
そうした中、3歳~5歳での待機児童ほぼゼロを実現した街がある。町田市だ。町田市も、他の市区と同様、待機児童対策は大きな課題となっているが、2016年に3~5歳の待機児童がほぼゼロになった。これは、子育て世代にとっては有り難い。
町田市で3期、11年目となる石阪丈一市長によれば、この3~5歳の待機児童ほぼゼロに大きく貢献したのは、2010年から導入している「20年間期間限定認可保育所」制度だという。これは自らの土地に保育所を建設して提供する人に建築費として最大3000万円を補助し、保育園を運営する法人には、賃借料を最大1200万円、20年間補助する制度で、地主と保育園のどちらにも利点がある。この制度を利用した保育園は、制度導入から19園にのぼっているという。「賃借料補助は今は多くの自治体でも行っている制度ですが、2010年の時点では町田市が全国で初めてでした」(石阪市長)
さらに、幼稚園型の認定こども園が3~5歳の待機児童の受け皿になっている。町田市は幼稚園志向が強い土地柄で、もともと幼稚園の数が多い。市が幼稚園にはたらきかけて、認定こども園に移行してもらうことで、受入数を増やすことに成功した。