モテジナはコミュニケーションスキル
—— KOJIさんは、子どもにモテる「モテジナ」をどれくらいのペースで披露しているのでしょうか?
KOJIさん(以下、敬称略) モテジナのコンテンツとして、プロの立場でそういう場を持つのは、実際には週に1~2回くらいです。月にすれば、多くて10回くらいといった感じです。とはいえ、プライベートでも、近所のカフェにやってくる子どもたちですとか、自分のおいっ子やめいっ子、それと、まだ2歳ですけど、自分の娘の前でもモテジナを披露しています。
このくらいの年齢の子にこういうモテジナを披露したら、どういう反応になるんだろうとか、テスト的なことも常にしていますので、ほぼ、毎日、どこかで魔法をかけていると言ってもいいかもしれません(笑)。
—— 日常生活のなかで、娘さんとモテジナで遊んだりしているんですか?
KOJI もう、毎日、遊んでいますね(笑)。子ども向けのモテジナはもちろんのこと、大人向けのモテジナもやってみせて、2歳の娘がどこまで理解できるんだろうかなどと、実験もしています。
娘が今、ハマっているのは、コインが消えるモテジナ。ボクがコインを握って、パッと消えるマジックなんですけど、それを見せたら、喜んじゃって。それから毎日、何かモノを握っては、「シュッ!」とか、「パッ!」などと言いながら、自分もできるんじゃないかと、一生懸命に魔法をかけようとしています(笑)。
でも、どうやら自分には、まだ魔法はかけられないんだと悟ったようです。そこで、最近は、自分が嫌いな食べ物があったりすると、私の手のひらに置いて、「魔法で消してちょーだい!」って言うんですよ(笑)。あ、そうきたか、と。そうやって、娘とは、魔法といいますか、モテジナで楽しいコミュニケーションを取りつつ、過ごしています。
—— KOJIさんの考えるモテジナというのは、どういうものなのでしょうか?
KOJI カンタンに言えば、読んで字のごとく、モテる手品です。一般的には、モテると言えば、男性が女性にモテたいというイメージだと思いますが、それは、ほんの一部。ボクが今やっているモテジナというのは、もっと幅広い考え方です。
まず、第一に、子どもにモテるということ。そして、子どもが友達にモテたり、夫が妻に、あるいは妻が夫にモテるし、おじいちゃんやおばあちゃんなど、家族みんなにモテる。みんなに喜ばれて、みんなを笑顔にすることができるコミュニケーションスキルとして、手品という魔法を使うというのがモテジナのコンセプトです。
ですので、モテジナの目的はスゴい手品を披露することではなく、みんなを笑顔にすることにあります。モテジナの中の手品自体は、目的ではなくてツールに過ぎないということです。そういう意味では、一般的なマジックショーやマジック教室とは少し違う視点で活動していると言えるのかもしれませんね。
—— みんなを笑顔にするというのは、簡単なようで難しそうですね。
KOJI 例えば、皆さんがUFOを目撃したとか、何かとても不思議なモノなど、あまりにも予想外の出来事に遭遇したとします。その場にいた人たちは、全く知らない人なのに、「今、見ました?」などと確認しながら、その出来事を共有することでしょう。
そのとき、お互いに知らない人であっても、社会的な立場などといったことは関係がなくなります。すべての人がお互いに“ただの人”として、その場を共有できる奇跡の瞬間なんですね。
モテジナというのは、そんな奇跡の瞬間を意図的に創り出し、イッキにその場にいる皆さんに「あなたの望む雰囲気」を一瞬にして伝えることができる力を持った、まさに魔法のコミュニケーションツールなんです。