「都立武蔵高等学校・附属中学校」は、中高生が一つの学校に会するメリットを大切に考え、中1と高1、中2と高2というように、中・高各学年の教室を同じフロアに配置。伝統ある音楽祭や文化祭などの行事を中高合同で実施するなど、異年齢の交流を通じて将来の見通しを持ち、早い段階から自身の力を伸ばしていくような仕掛けがなされています。自然体験や奉仕活動にも力を入れるとともに、中学では、自然・人間・社会に関わる教科横断的な探究活動として「地球学」を学習。課題の設定からプレゼンテーションまでを3年間にわたって系統立てて行うことで、主体的な研究姿勢と教養を身に付けます。
また、中学から英数国理社の5教科を重視し、高校では5教科7科目のセンター試験フル型受験に向けた勉強を行うなど、国公立大学進学を意識した進路指導が充実。平成27年度(平成28年実績)では、国公立大学の合格者数が97人(現役82人)、東大合格者は11人(現役8人)と進学実績も伸ばしています。
中学3年間で取り組む「地球学」 地球規模の環境問題や社会問題を考える
DUAL編集部 放課後の校内で、生徒達が仲間と部活動に励む姿や、明るい笑い声が飛び交う快活な様子がとても印象的です。
高橋校長(以下、敬称略) そうですね。私も今年4月に着任して早々に、素朴で明るい校風だと感じました。休み時間になると階段や廊下などで屈託なく笑っている生徒の声が職員室まで聞こえてきたり、楽しく元気に学校生活を送っている様子がうかがえますね(笑)。男女の仲もとてもいいんですよ。
活気があるように感じるのは、中学生と高校生が同じフロアで過ごしていることも関係しているかもしれません。どういうことかと申しますと4階に中1と高1、3階に中2と高2、2階に中3と高3の教室…というように、一つのフロアに中学生と高校生が混在するような配置をしています。中学生は高校生を間近に見て過ごすことで、先輩への憧れが強くなるようで、同じフロアで過ごすことにとても満足しているようです。行事なども中高一緒に行うため、高校生は中学生のお手本になるよう頑張ってくれていると思います。
―― 「国際社会に貢献できる知性豊かなリーダー」像を目指し、将来の難関大学進学にも対応した授業を進めるとともに、教養や社会貢献活動にも力を入れています。中でも地球規模の環境問題や社会問題を考える「地球学」というカリキュラムが特徴的ですが、具体的にどういった内容なのでしょうか。
高橋 総合的な学習の時間に中学三年間で取り組む「地球学」は、社会の様々な問題を地球規模で考え、自然や社会、人間そのものを探求する人文科学などを横断的に学びます。1クラスを2グループに分け、1学年計6グループが、環境・地域・人間・生命など6つの講座をローテーションで学んでいきます。
どのような問題が自分の身の回りにあるか、基礎的なことを中1で勉強し、中2になるとさらに発展的に調査や実験・観察をしたり、ディベートなども体験したりします。