自立できる仕事は何かと考え、アラビア語通訳の道へ

―― 今日は働く女性が多くいらしていますので、キャリアや結婚観についてもお聞きしたいと思います。男性に比べて女性は、ライフプランを考えるときにちょっと壁が多い性別かなと思います。小池さんの結婚観、家族観からお聞かせいただけますか。

小池 私は仕事として、通訳、それもアラビア語などというちょっとニッチなものを専門にしました。とはいえ日本の政治経済が揺らぐときって、大体震源地はあっちのほうなんですよね。中東戦争が起きたり、石油価格が跳ね上がったり。

 そういう中で、アラビア語通訳というのは自営業なんです。どこかに所属するということではなく、自分でマネージができる。なぜそうしたかというと、男女雇用機会均等法なんていう言葉さえなかったかつての日本の社会というのは、女性が自分のやりたいことを実現するのが難しかった。親のコネでどこかに入社しても、寿退社でさようならです。そんな現実を見たうえで、一生続けられて、自立もできる仕事は何かと考えたときに、自分の力でやっていく「包丁一本」の世界を選んだというわけです。途中で結婚もしましたけれど、仕事のほうが面白くってさっさと別れちゃいました。

 でもね、やはり子どもが欲しい時期は当然ながらありました。今になって後悔する部分はありますから、どうぞ皆さん、遅過ぎないうちに家族というのは大切になさったほうがいいなとは思っています。

―― これから結婚されるご予定は?

小池 それはないですね。今私がなすべきことはたくさんありますので、優先順位が違うという感じです。

「WOMAN EXPO TOKYO 2016 Winter」の基調トークショーでは、立ち見も含め700人を超える観客が会場を埋め尽くした
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(文/谷口絵美 撮影/花井智子)