ラーメンのおいしさを知って、ラーメンラブになった「めでた屋」
兄弟がラーメン好きに育ったのは、地元仙川の名店「めでた屋」のおかげだ。長男も次男も2歳くらいから食べている。小さな子どもにも安心して食べさせられる丹念に作られた透明感のあるスープ。しょうゆ系の優しいラーメンだ。
最初は私が大盛りを頼んで、取り分け用の器を借りて食べさせた。だんだん食べられる量が増えてきて、自分で一人前を注文できるようになったのが年長のころ。そのころ、「ここで働けばいつもラーメンが食べられるから、働きたいです」と言って、「高校生になってからね」とご主人にたしなめられたこともあった。
そして、スープまで完食できたのが小学2年生のころか。「ものすごく誇らしかったので覚えているよ」と長男。食べ終わって「ごちそうさまでした。おいしかったです」というのも日課になった。今でも言っている。弟も同じ道を歩んできたが、肉好きの彼はいつのころからか注文するのは、決まってお肉たっぷりでプリプリのワンタンメン。
繁忙期以外、たいていはコの字形のカウンターの中にご主人が一人。地元の常連でいつもにぎわっている。行列ができてもおかしくない店なのに、行列はなし。それも子連れにはうれしい。取材時もちょうど高校生くらいの息子と父親のコンビに遭遇。小さかったお客さんが通い続けて、今、一人前のお客さんになってカウンターにいる。なんだかいいシーンだ。特等席で見ているご主人だけが知っている、いくつもの親子のラーメンストーリーが「めでた屋」にはある。
「二郎」取材後一週間ほどたったころ「父さん、二郎、また行ってもいいかなって思えてきたよ。ブタ(煮豚)おいしかったよね。今度はメンスクナメ(小盛り、といってもフツーに大盛り)、ヤサイマシ(野菜増量)、アブラナシ(背脂なし)で頼んでみようかな」と次男、しっかり二郎語使ってます。「ラーメン二郎」恐るべし。