メキシコで女性支援に取り組む2児の母との運命的な出会い
メキシコというと、皆さん、どんなことを思い浮かべますか? サボテン、テキーラ、大きなつば付き帽子、辛いサルサにとうもろこしでできたチップス……。加えて最近では、アメリカの次期大統領が「国境に壁を作る」と発言していたことなどを思い出すかもしれません。
私の知識もそのくらいでした。昔から、優れた文明があったこと。16世紀にスペイン人がやってきたこと。その後、一部の都市は銀鉱山で栄えたこと。今は多様な人々が住んでおり、経済的にはアメリカ合衆国との結びつきが強いこと。麻薬の問題があること。
実際に会ったメキシコの人々は、予想以上にフレンドリーで笑顔いっぱい。日本人には大変、親切です。「近年、自動車産業を中心に日本企業の進出が加速している」と大使館の方から聞いて納得しました。「親近感が湧くなあ」と考えていたら、こんなシーンに出合いました。
「ごめんなさい、着替えていたら遅くなっちゃって!」
メキシコ国立自治大学で開かれた女性セミナーの後、私を含めたスピーカー達は、在メキシコ日本大使館の山田彰大使の公邸での夕食会に招かれました。そろそろ始めましょう、というときに飛び込んできたのが、今回の記事の主役、サンドラ・ルシア・ルイーズさん。ヒョウ柄のドレスにブルーを中心にしたネイル。ゴージャスかつフランクな話しぶりは、まさに“大阪のおばちゃん”を彷彿させます。夕食会で聞いた話がとても面白く、「もっと聞きたい!」と思いました。
在メキシコ日本大使公邸での夕食会を終えて。前列右から2人目が山田彰大使。その向かって左隣がサンドラさん
日本からの観光客も多数訪れるティオティワカン遺跡のピラミッド
翌朝、サンドラさんの運営するNGO「夢を織り成す協会」のコミュニティー・センターを見学・取材しました。センターは途中、交通渋滞もあり、メキシコ・シティから車で約2時間。日本からの観光客も多い、ティオティワカン遺跡のすぐ近くに位置しています。
「夢を織り成す協会」は、ここを拠点にメキシコ州東部の7市で、主に貧困層の女性を対象に職業訓練や教育、カウンセリング、医療サービスを提供しています。女性の抱える課題は、深刻なものでは、夫からの暴力や10代の妊娠。センターでは、医師の診察や、カウンセリングを受けられるようになっています。
次ページから読める内容
- 支援を必要とする人に使ってもらうために重要なのが「アウトリーチ」
- 高度な技術がいらないゼリー作りは、初心者向けの「稼ぐ手段」
- 国内の経済格差が大きく、貧困層には小学校すら卒業できない子も
- 経営学修士号を持つ高学歴の人材がNGOを支える
- 日本の外務省の支援プログラムが力になっている
- 「相談の場を作る」「専門家支援を得る」「若手や男性を巻き込む」そして「笑う」
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