5年前に突然訪れた、父と小学生の娘との二人暮らし。周りに同じ境遇の人は一人もいないなか、“父ひとり、娘ひとり”の生活は始まりました。シングルファーザーになって初めて実感した料理をはじめとした家事の大変さや「一般的な幸せ像」への違和感。戸惑いながらも、父娘の愛で一つ一つゆっくりと乗り越えていきます。最終回では、一般社団法人インターネットユーザー協会代表理事でインターネットリテラシーに詳しい小寺さんに、思春期のスマホ利用について、その意義と家庭内でのルールについて教えてもらいます。

娘とインターネット 情報を見ることは許可、出すのは禁止

 子どもが中学生にもなると、スマートフォンを持ちたがる。内閣府が毎年行っている「青少年のインターネット利用環境実態調査」では、平成27年度のスマートフォンの利用率は、小学生23.7%、中学生45.8%、高校生93.6%となっている。フィーチャーフォン時代の調査でもだいたいそれぐらいだったので、学齢ごとの利用率はもうそれほど変わっていかないのかもしれない。

 うちの場合は、既に小学生時代から自分用のPCやタブレットで、少しずつネットの利用は許可していた。ただし情報を見るだけで、ネットに情報を出すことは禁止していた。従ってもっぱらの利用は、YouTubeの動画鑑賞となる。笑える変な動画を探させたら、筆者よりもうまい。

 ネットなら十分に使えるのに、子ども達が自分用のスマホを欲しがる理由は、友達とLINEなどのツールを使って繋がりたいからだ。現在の子ども達は、お互いの関係に非常に気を使う。昔と違い、「同じクラスだが名前も知らない、1年間口をきいたこともない」ということがあり得るのだ。

従って友達関係を維持するためにも、我々大人が想像する以上の「繋がっている努力」が必要となる。SNSやメッセージングツールでの「つつき合い」は、それを満たすためのツールとして機能するわけである。

お互いの関係に非常に気を使う現在の子ども達。SNS等は、友達関係を維持するために「繋がりたい」子ども達の気持ちを満たすツールとして機能している
お互いの関係に非常に気を使う現在の子ども達。SNS等は、友達関係を維持するために「繋がりたい」子ども達の気持ちを満たすツールとして機能している