定期預金で運用するだけでも、大きなメリット

 では、改めて「iDeCo=個人型確定拠出年金」を簡単に説明しましょう。

 これは、「個人が(個人型)、毎月決まった金額をコツコツと(確定拠出)、老後のために積み立てる(年金)」制度で、運用している間は掛け金が非課税、運用中は運用益が非課税、受け取るときも税制優遇制度が使える老後のための制度です。

 税制面でのメリットが大きいため、60歳以降に引き出すことしかできませんが、その分、老後の準備をするのに適した制度ということがいえますよ。詳しくは、以前の記事「老後不安に打ち勝つ! 税金を味方にする積立ワザ」を参考にしてください。

 確定拠出年金制度では、運用商品を自分で決める必要があります。「運用」と聞くだけで、「株を買うの? どれがいいか分からないし、損したらイヤ」と思う人もいらっしゃいますが、今回お伝えした通り、確定拠出年金の中には定期預金のような元本確保型の商品もあります。

 投資信託など値動きがある商品にハラハラドキドキしたくなければ、定期預金で運用するだけでも、大きなメリットがあります。正しく制度を知って、「老後資金」という目的に合った制度を選ぶようにしてくださいね。

 なお、掛け金に対してかからなくなった税金分は、自分でコツコツためる必要があります。

 「気が付いたらなくなっていた……」なんていうことがないように、一度にまとめて別口座にためるもよし、あるいは、浮いた税金分を12分割して毎月積み立てするもよし。何もしないと、毎月の生活費で消えてしまうお金になるので、そこはちゃんと「ためる仕組み」を作ってくださいね。