日々、森の中で過ごす子ども達
今回訪れたのはノルウェーの首都オスロから電車で30分ほどの町・ドランメンにある「Klokkergaarden(クロッケルゴーエン)」という私立幼稚園。ノルウェー南部の主要都市、ドランメンで電車を降り、車で山道を15分ほど走ったところにある、森の中の幼稚園です。
最初に少しノルウェー事情をご紹介すると、1~5歳の子どものうち、幼稚園に通っているのは約90%。幼稚園に入れずに家でお世話をすると別途手当がもらえます。幼稚園に通わせる毎月の費用は、日本の認可保育園と同様、世帯年収によって異なり、約550万円までは無料、それ以上~約640万円の場合は約2万9000円、それ以上の場合は約3万5000円です(この額は自治体によって異なります。今回紹介した金額はドランメンの2015年データです)。公立でも私立でも支払う額は変わりません。きょうだい二人目は20%割引、三人目は50%割引となります。
2007年に開設されたこの幼稚園は、古い建物を集めた屋外ミュージアムと隣接していて、メーンの建物はもともと農場の家屋。このほかも様々な年代、町で使われていた建物から成り立っています。ノルウェーの幼稚園は屋外での活動を重視するところが多く、冬場もマイナス10度までは原則外で遊ばせます。中でもここは森の中で遊ばせ、勉強よりもアートを学ぶような、「とてもノルウェーらしい、ある意味では懐古的」ともいえる存在だそうです。
10月初旬、既にノルウェーは最高気温10度前後と冷え込みが始まっていましたが、子ども達はジャンプスーツを着こんで外で遊んだり、森の中へ出かけたりと、思い思いの外遊びを楽しんでいました。また、幼稚園を訪問したのが12時ごろで、そろそろ小さい子ども達はお昼寝の時間。しかし、どこかの部屋に集まっている様子もなく、辺りを見回してみると、建物の外に置かれたベビーカーの中で眠る子ども達の姿が。北欧では、ママ達がカフェでおしゃべりする間、赤ちゃん達は建物の外に置かれたベビーカーで寝ている、という話をテレビやネット記事で見たことがあったのですが、これはやはり本当の情報だったようです。
屋外で寝かせることで、心肺機能が強くなると聞いたことがありますが、ジャンプスーツ姿で寝ているので確かに寒くはなさそうでした……。