福祉制度の充実、父親の育休取得率の高さ、お母さんに優しい国……など、子育て、教育方面で常に関心が寄せられている北欧諸国。スカンジナビア半島の最西に位置するノルウェーもその例外ではなく、世界経済フォーラムが発表する「男女格差報告」において、ジェンダー・ギャップ指数で首位のアイスランドに次いで2位という高いポジションについています。また、女性の社会進出も非常に進んでいる中で、合計特殊出生率も2013年度1.85と日本の希望出生率をクリアする数値を叩き出しています。そんな国で、子ども達は日々どのように過ごしているのか? 現地の私立幼稚園を見学に行ってきました。

日々、森の中で過ごす子ども達

 今回訪れたのはノルウェーの首都オスロから電車で30分ほどの町・ドランメンにある「Klokkergaarden(クロッケルゴーエン)」という私立幼稚園。ノルウェー南部の主要都市、ドランメンで電車を降り、車で山道を15分ほど走ったところにある、森の中の幼稚園です。

 最初に少しノルウェー事情をご紹介すると、1~5歳の子どものうち、幼稚園に通っているのは約90%。幼稚園に入れずに家でお世話をすると別途手当がもらえます。幼稚園に通わせる毎月の費用は、日本の認可保育園と同様、世帯年収によって異なり、約550万円までは無料、それ以上~約640万円の場合は約2万9000円、それ以上の場合は約3万5000円です(この額は自治体によって異なります。今回紹介した金額はドランメンの2015年データです)。公立でも私立でも支払う額は変わりません。きょうだい二人目は20%割引、三人目は50%割引となります。

 2007年に開設されたこの幼稚園は、古い建物を集めた屋外ミュージアムと隣接していて、メーンの建物はもともと農場の家屋。このほかも様々な年代、町で使われていた建物から成り立っています。ノルウェーの幼稚園は屋外での活動を重視するところが多く、冬場もマイナス10度までは原則外で遊ばせます。中でもここは森の中で遊ばせ、勉強よりもアートを学ぶような、「とてもノルウェーらしい、ある意味では懐古的」ともいえる存在だそうです。

Klokkergaarden入口。右手の建物には、主に0~1歳の乳児が過ごす部屋がある。クラス分けは月齢ごとではなく、その日の出席人数によって多少割り振りが変更される
Klokkergaarden入口。右手の建物には、主に0~1歳の乳児が過ごす部屋がある。クラス分けは月齢ごとではなく、その日の出席人数によって多少割り振りが変更される

屋外で遊ぶ子ども達
屋外で遊ぶ子ども達

 10月初旬、既にノルウェーは最高気温10度前後と冷え込みが始まっていましたが、子ども達はジャンプスーツを着こんで外で遊んだり、森の中へ出かけたりと、思い思いの外遊びを楽しんでいました。また、幼稚園を訪問したのが12時ごろで、そろそろ小さい子ども達はお昼寝の時間。しかし、どこかの部屋に集まっている様子もなく、辺りを見回してみると、建物の外に置かれたベビーカーの中で眠る子ども達の姿が。北欧では、ママ達がカフェでおしゃべりする間、赤ちゃん達は建物の外に置かれたベビーカーで寝ている、という話をテレビやネット記事で見たことがあったのですが、これはやはり本当の情報だったようです。

近寄ってみると子ども達の穏やかな寝息が聞こえてきた
近寄ってみると子ども達の穏やかな寝息が聞こえてきた

 屋外で寝かせることで、心肺機能が強くなると聞いたことがありますが、ジャンプスーツ姿で寝ているので確かに寒くはなさそうでした……。

次ページから読める内容

  • 「○○をする」というルールより「自分で考える」ことを大切に
  • 給食の調理も子ども達と一緒に
  • 自然とアートに触れて、子ども達は想像力を高める
  • 保育士や、パパママもゆとりが持てる環境

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