10年以上前から「子育てしやすい街」を重要課題に
吉村さん 新宿区は日本一の乗降客を誇る新宿駅周辺や歌舞伎町、新宿駅西口の高層ビル街といったイメージがおありかと思いますが、実は土地利用の50%が住宅なんです。私達は10年以上前から「子育てしやすい街」というテーマを最重要課題として取り組んできました。そして「次世代育成調査」という調査を行った結果、10年前と比較すると、子育てしやすいと感じている保護者の割合が2倍、3倍と増えてきていることが分かっています。区民の皆さんにも一定の評価を得ているのだと自負しており、生まれる子どもの数も平成8年には1600人だったものが、平成27年には2600人以上となっています。
また、「新宿区ワーク・ライフ・バランス推進優良企業表彰」という取り組みも行っており、私自身が子育て真っ最中だったときと比べると法制度も整ってきていると思います。
一方、では、男性が家事・育児をするのが当たり前になったかというと、まだそうはなっていないという実感もあります。今回の受賞を「この分野で新宿区にリーダーシップを取ってほしい」という応援メッセージだと受け止め、今後も取り組みをブラッシュアップしていきたいと思います。
平成26年度から30億円を子育て支援に回してきた
松崎さん 浦安市では平成26年度から財政調整基金から30億円を子育て支援に回し、できることなら何でもやろうという姿勢で取り組んできました。一般に子育て支援というと、妊娠から出産を言うと思うのですが、私達は平成23年2月から出会いの場からサポートをしています。この11月にも男女90人ずつを集め、婚活イベントを開催しました。自治体が主催しているという信頼度もあり、カップル誕生の確率は40.7%という高さです。次回は総合の部でグランプリをいただけるようにますます力を入れていきたいと思います。
(取材・文/日経DUAL編集部 小田舞子、撮影/花井智子)