こんにちは。「知ろう小児医療 守ろう子ども達の会」代表の阿真京子です。皆さんは「薬剤耐性」という言葉を知っていますか? 政府では今年から、毎年11月を「薬剤耐性(AMR)対策推進月間」として、耐性菌の原因となる抗菌薬(抗生物質)の不要不急な投与や使用を控えるよう呼びかけたり、抗菌薬の使用頻度を下げるための取り組みを展開する方針を決めました。タレントの篠田麻里子さん、JOYさんが応援大使となったことでいくつか報道もあり、ご存じの方もいると思います。

 薬剤耐性とは、細菌が抗菌薬(抗生物質)に対して抵抗力を持つように変化し、薬が効かなくなる、または効きにくくなることです。薬に抵抗力を持った菌があちこちに広がっていけば、やがて抗菌薬は「使えない薬」になり、本当に必要なときに治療の選択肢がなくなってしまいます。身近な話としても、お子さんが滲出性中耳炎を繰り返しているママ達の間で、「ずっと出されていた抗生物質が効かなくなり、メイアクト(別の抗生物質)を出されるようになった」というのは、頻繁に聞かれます。

 11月1日に内閣官房の薬剤耐性(AMR)対策推進国民啓発会議がありました。私も委員として出席しましたので、耐性菌の問題点について報告をしたいと思います。難しい話ではなく、子どもを持つ親にとって実はとても身近な話です。ぜひお読みいただければ幸いです。

耐性菌による死者は2013年で70万人。2050年には1000万人の試算も

 Yahoo!ニュースと内閣官房・厚生労働省は、次のような意識調査を実施しました。

Q 抗菌薬(抗生物質)は、風邪やインフルエンザに効果がないということを知っていますか?
http://polls.dailynews.yahoo.co.jp/domestic/25663/result

知っている→57%
知らなかった→43%

Q 抗菌薬(抗生物質)の不適切な使用は、薬の効かない細菌の出現、いわゆる薬剤耐性問題の原因と言われています。あなたは「薬剤耐性」について知っていますか?
http://polls.dailynews.yahoo.co.jp/domestic/26082/result

「薬剤耐性」について詳しく知っている→39.3%
名前だけ知っている→33.3%
まったく知らない→27.4%

(Yahoo!ニュース 意識調査調べ)

 このような結果が出たので、「薬剤耐性」について知っている方も増えているかもしれません。

 会議の冒頭では、「2050年には薬剤耐性によって亡くなる人の数が、現在のがんによる死亡者数を上回るといわれている」と大臣が問題意識を示しました。耐性菌による死者は2013年の70万人から、2050年には世界で1000万人に増えるとの試算があります。

 政府は、抗菌薬の使用量を2020年までに、2013年の3分の2に減らす目標を掲げました。

 会議では、次の2点が繰り返し強調されていました。

 医師は、抗菌薬が必要なときに最適なものを適量出す。必要以上に出さない
 患者は指示に従って、それを正しく飲む。必要以上に求めない

 この2点が徹底されることが重要です。

次ページから読める内容

  • 抗菌薬で治せるのは細菌感染だけ。ウイルスには無効
  • 予防が大事!小児科医からのアドバイス

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