モデルルームに行くと、間取り図や写真で見るよりも具体的なイメージが沸きやすく、さらに、素敵にコーディネートされた部屋を見ると、新しい住まいへの夢もどんどん膨らみそう。でも、ちょっと待って!見落としていることはありませんか?今回は、モデルルームで見るべき項目について、住まいのアトリエ 井上一級建築士事務所主宰・井上恵子さんに話を伺いました。

【家の買い方、マンションの選び方 特集】
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第4回 家購入までのプロセスと夫婦の役割、注意点
第5回 「5LDK」の落とし穴、賢い間取りの読み方とは?

モデルルームで模型を見る理由

一級建築士の井上恵子さんにモデルルーム見学のチェック項目を伺います。
一級建築士の井上恵子さんにモデルルーム見学のチェック項目を伺います。

 「モデルルームで見るべきポイントは?」と質問すると、井上さんからは「まず、模型を見ましょう」との回答が。モデルルームなのに、部屋の中ではなく、なぜ、模型を見るのでしょうか。

 井上さんによれば、模型を見ることで、住まいに関する大事な「情報」が読み取れるのだそう。ほかにも、モデルルーム見学のチェック項目を5つご紹介します。

01. 模型を見る

 新築マンションの場合、モデルルームに行くと必ずといっていいほど、模型がおいてあります。建物全体だけでなく、周辺の様子まで再現されている模型です。「模型をチェックせよ」というのは、すなわち、これを使って、「周辺環境をよく確認して欲しい」という意味なのです。

 例えば、マンションのモデルルームで模型を見てみたら、敷地内にパンパンに建物が詰まっているのが見て取れることがあります。そのような物件の場合、日当たりや風の抜け方に問題がある場合があります。土地いっぱいに余裕なく建物が建てられている場合、いくら「中庭がありますよ」と宣伝されていても、その中庭には日が全然当たらない、といったこともあり得るのです。

 また、模型を見て、周辺に空き地があったら、将来、高い建物が建つ可能性がないのか、気にしておく必要があります。営業担当者に確認すると良いでしょう。

 モデルルームに行くと、つい間取りやインテリアに目を奪われがちですが、まずは模型で周辺環境をチェックするべき。これは鉄則です。

<次ページからの内容>
・モデルルーム見学のチェック項目2~5「あとから変えられない部分を見よ」
・インテリアは素敵で当たり前。営業担当者は、うまく「活用」して
・モデルルーム見学の注意点
・営業担当者には、何を聞くべき?