社員に「家族的な絆」を求め、長期的な視野で一緒に成長しあえる環境づくりに努めるクックジャパン。ウロロジー事業部の中日本チームに属する一人の女性の2度の育休を通じて、多様性を認め支え合う風土の魅力に迫る下編。

上編「育休中に大事な取引先を競合他社に奪われて…」では、「家族第一で働くために支え合う」という共通認識を持つチームが生まれるまでの軌跡と、1度目の育休の取得方法に後悔を残した摂津夏紀さんが2度目の育休取得を決意するまでを紹介した。下編では、「育休は取得するがチーム内の情報共有を通じて、顧客とつながり続ける」新しい育休のかたちを中心に聞く。

ステータスは「育休」でも、完全にオフにはしない


クックジャパンのウロロジー事業部で勤務する摂津夏紀さん

 2人目の妊娠が分かり、「育休は取得するが、代理の営業担当は立てず、チームと連携することによって、自分と顧客の関係を断絶しない」と決意した摂津夏紀さん。最初に相談したのは、チームメンバーとして苦楽を共にしてきた佐々木純さんだった。

 「『育休を取るけど、1人目のときのように代理の担当者を立てることはせず、チーム内の連携で情報を共有し、自分と顧客との関係を断ち切らない方法を模索したい』と話しました。メールではCcに私を入れて、情報を把握できる環境にしてもらう。必要に応じて、自分の考えをチームに伝える。さらに、オペの立ち合いなど、訪問は全面的にチームにサポートしてもらいたいと頼んだんです」(摂津さん)

 摂津さんの最初の育休の取り方と、その後の状況も見てきた佐々木さんは、この依頼にどんな思いを抱いたのだろうか。

 「1人目のときは、出産に専念して元気な子を産んでほしいと思って見守っていました。育休が明けて大切な顧客を失い、営業ミーティングでも数字が伸び悩んだ原因としてそのことを挙げていたので、苦しかった時期も知っています。同時に、最初の育休で彼女のエリアをカバーしたメンバーが、当時とても疲弊していたのも記憶にありました。ですから、摂津さんの希望には納得感がありましたね。すぐに具体的な進め方を話し合いました」(佐々木さん)

 摂津さんは、続けて事業部長の伊藤昭人さんにも相談を持ちかけた。

 「『育休中でもできるだけスムーズに復帰できるように顧客との関係を維持したい』、と。それなら顧客とのコミュニケーションの状況を把握できるようにしようと決め、他のメンバーにはありのままを話して理解を求めました」(伊藤さん)

 10年、20年と長く働き続けることを前提とすれば、ライフステージに合わせた働き方をどうサポートしていくかが重要だと伊藤さんは話す。社内に前例を求めることなく、迷わず出したGOサインだった。

次ページから読める内容

  • 毎日の情報共有で深まった関係性
  • 新しい育休のかたちが、チーム力を高めてくれた

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