ドリュー・バリモア(ジェス役)とトニ・コレット(ミリー役)のダブル主演で公開前から話題を呼んでいる『マイ・ベスト・フレンド』(11月18日より全国ロードショー)。

転校生のジェスが小学校でミリーと出会って以来、2人は大親友。長年にわたり、変わることのなかった女同士の友情。ところがミリーに乳がんが見つかる。時を同じくして、不妊治療を続けてきたジェスに待望の子どもができたことが分かる。互いを思いやればこその、小さなすれ違いが次第に増えていき……。

映画のエンディングに流れる平原綾香さんによる日本版テーマソング「STAR」は、まさにこの映画のために書きおろされたようなメロディーと歌詞で、見る者の琴線に触れてくる。字幕で流れる歌詞が映画とシンクロし、新たに涙する人も少なくないよう。そんな平原さんに女友達のこと、共働きの両親を見て子ども心に感じていたこと、子ども時代に夢中になった習い事のことなどを伺った。

高校時代から続く「仲良し4人グループ」が心の支え

日経DUAL編集部 平原さんには親友と呼べる、女友達がいますか? そもそも親友の定義って何でしょう?

平原綾香さん(以下、平原さん) いいときだけでなく、困ったときや悲しいとき、むしろ自分が最悪の状況でもそばにいてくれる人が本物の親友と呼べるのかもしれません。とはいえ、親友の形は様々。たとえ、そばにいられなくても心でつながっている親友もいるでしょうし、人それぞれ違うでしょう。

 私には大事な4人の仲良しグループの存在があります。高校時代からの音楽仲間で今でもずっと仲良しです。みんな仕事がありますから、かつてのように頻繁には会えませんが、誰かが落ち込んでいれば、わっとみんなで集まって笑い飛ばして帰ってくる、という付き合いが続いています。

 それぞれみんな個性が違っていて、たいした共通点があるわけでもないのに、面白いことやおいしいものを見つけると「最初に伝えたい」と思えるような関係です。

 みんな私のコンサートを見にわざわざ東京から兵庫まで遠征してくれたり、ライブ会場で物販を手伝ってくれたり。私がこういう仕事をしているので、私抜きの3人で会うこともあるようですが、心はつながっていると思えるので寂しくはありません。

―― そんな親友をお持ちの平原さんは『マイ・ベスト・フレンド』を見ながら、自身と友人の関係を重ね合わせたりしませんでしたか?

平原さん 2人の関係と4人の関係は少し違うかもしれないな、と感じました。私達の場合、4人がそれぞれ共存し合っている関係なので、映画に出てくるミリーとジェスのようなぶつかり合いはないですね。衝突しても誰かが必ず引くし、言い合いになってもそれが愛情から発せられた言葉だということが分かるので、喧嘩にならないんです。

―― 結婚や出産を機に何となく疎遠になってしまう友達がいたり、「ママ友の関係には賞味期限がある」などという読者もいたりで、女同士が長く友達でいられるのには何かコツが必要なのかしらと思うこともあるのですが、いかがでしょうか?

平原さん 女友達に賞味期限があるとは思いませんが、子どもができたりすると、なかなか会えなくなる友達は確かにいます。私にとって、バイオリニストの宮本笑里さんがそうです。子育てをしながらの音楽活動は大変ですし、会う機会も確かに減りますが、ステージで時々会うとやはりすぐにうちとけますし、離れていても友達だと思いますね。ちょうどそんな心境を歌ったのが朝ドラの主題歌「風笛」でした。私が作詞して、笑里さんのお父様、宮本文昭さんがオーボエで演奏してくださいました。