1月の組分けテストには、ずいぶん前のテストに出た問題も再び出る

 「ただし、線分図の使い方をきちんと理解していなければ、これらの問題を解くことはできません。線分図を理解するうえで、大切なことは2つあります。1つは『線分図を書くということは、線分図の矢印の中に距離、もしくは距離の比を書き込めば何とかなるはずだ』と、解き方の大枠を捉えることです。つまり、線分図は『距離の条件』を使うためのものであるということを理解していなければなりません。『時間の条件』を使うためにはダイヤグラムを選択します」

 「もう1つは、線分図は長さ比べをするものであるということです。長さ比べをするということは、例えば鉛筆の長さを比べるのなら、下の位置をそろえて、どちらが長いかを比べますよね? それと同じで、速さを求めるのであれば、出発は同じ。同じ時刻に『同時マーク』を書き込み、『同時マーク』のついた矢印に距離、または距離の比を書き込むことで、その差を求めることができます。この2つを押さえていれば、どんな難題でもほとんど解くことができます」

 「小5の1月に行われる組分けテストでは、まず間違いなく『速さ』の問題は出るでしょう。実は先ほどの問題と同じような問題は、4小5の4月に行われたマンスリー確認テストにも出題されています。4月のテストというと、ずいぶん前のものに感じますが、線分図の使い方は同じです。ですから、ここでもう一度解いてみて、正解できれば線分図の使い方が理解できていると考えていいでしょう。ここでできなければ、そもそも線分図の使い方を理解していないということになります

 「5年生の現時点において中学受験の算数には、線分図は不可欠です。1月の組分けテストを前に、もう一度しっかり振り返り、理解を深めておきましょう」

 では、SAPIX以外の塾ではどのような問題が出されるのでしょうか? 

 前田先生は言います。

 「1月テストの対策として、どのテストを振り返りの材料にするかは塾によって多少異なりますが、どの塾もSAPIX同様に、どの課目においても、この1年間に塾で学んだ問題やその類題が配点の多くを占めていますので、他塾に通われている場合も取り組むべき準備は共通していると言ってよいと思います」

 次のページでは、四谷大塚、浜学園、日能研に通う子ども向けの算数の対策を、前田先生に解説していただきました。