1週間会社を休み、「ただそばにいる」
「やばいよ、千賀子さん。このままでは第一志望どころか第二、三志望も……」
1月、「予行演習」的に受験した1校目で合格。調子づいたところで受験した2校目では不合格となり、長男の気持ちは目に見えて落ち込んでいました。算数の家庭教師であり、息子のメンタル面のコントロールにも配慮してくださっていた安浪京子先生は、私にこう言いました。
「彼のそばにいてあげて。何も言わなくていいから、ただ温かい食事を用意してあげてください。お母さんがそばで見守っているだけでいいんです」
私は、「1週間会社を休む」と腹をくくり、お客さまにお詫びの連絡を入れて当面のアポイントをキャンセル。翌日から仕事を休みました。京子先生の言う通り、食事を作ってあげる以外は特に何をすることもなく、ただ家にいたのです。
そうする間に、息子の気持ちは少しずつ戻ってきました。1週間後には、再びやる気が湧いてきているのが、彼の背中から見てとれました。落ち込んでいたときとは明らかに異なる、前向きなオーラを発していました。調子が戻らなければもう1週間休もうと考えていましたが、「もう大丈夫」と感じたので、次の1週間は出社して最低限の仕事だけをこなし、早く帰宅するようにしました。