揺れ動くメンタル面のサポートも

 もう一つ、家庭教師の先生方に感謝しているのは、息子のメンタル面に寄り添ってくださったことです。通常は1回2時間の契約のところ、「この子は誰かがそばにいたほうが勉強できるタイプだから」と、3時間、時には5時間もそばにいてくれた先生もいました。

 息子の学習の成果が表れ始めたのは、12月になるころ。それまでは、一生懸命にやっても成績が思うように伸びず、むしゃくしゃしたり落ち込んだりと、気持ちが不安定になることもありました。

 感情をコントロールできない息子に対して、つい私も感情的にものを言ってしまうこともあります。夫から「黙って見守るべきだ」とたしなめられても、「私が言わなきゃ、誰が彼の人生の責任を取るの!?」と思ってしまったものです。でも、私が感情をぶつけても、よい方向に転ぶことはありません。だから、言いたいことはなるべくのみ込んで我慢しました。そして、第三者である家庭教師の先生にお任せしたのです。

 息子は特に私の友人で、算数専門のプロ家庭教師である安浪京子先生を強く信頼していて、彼女の言葉には素直に耳を傾けるようでした。私が「大丈夫、自信を持ちなさい」と言っても、息子にとっては説得力がない。なので、京子先生から言ってもらうようにお願いしたりもしました。そんなふうにして、京子先生に息子の気持ちの起伏に付き合ってもらったのです。

 受験生はやはりメンタルが不安定になるもの。親には言えないような気持ちや迷いを素直に打ち明けられるような、「メンター」的存在の第三者がいるということは、とても大切だと感じました。