そばに付いていなくても、子どもの状況が分かった

 さて、この期間、母親である私が何をしていたかというと…。日曜日は片道1時間ほどの早稲田アカデミーまで一緒に電車に乗って付き添いましたが、平日に仕事を終えて帰宅するのは21時ごろ。一方、息子は17~18時ごろにやって来る先生を、自分でお茶とお菓子を用意してお迎えし、2人で勉強する日々を送っていました。なお、夫は、平日は遠方への出張で不在が多く、土日はフラッグフットボールチームの練習に出かけます。

 つまり、両親ともに、息子の学習に直接関わることはゼロに近い。家庭教師の先生と本人に任せっぱなしの状態でした。それでも私達は、息子の状況や変化などを常に把握することができました。家庭教師の先生方から、毎回メールなどでフィードバックをいただいていたからです。その内容は、「○○を習得した」といった勉強面の報告だけでなく、最初にお願いしておいた通り、「彼はこういうことに興味がある」「最近はこういう傾向の問題に対して意欲的だ」というポイントのリポートでもありました。

 例えば、社会科では息子は「公民」が好きで、憲法や三権分立などの仕組みに興味を示すのだそうです。

 また、国語の先生からは「彼は、勝利や成功といったポジティブな話では作者の気持ちを読み取れるのですが、敗北や挫折などのストーリーで描かれる『悔しい』『悲しい』などの感情についてはピンとこないようですね」と言われ、「へぇー」と思ったものです。

 それまでは、テスト結果から子どもが何が「得意」であるかはある程度つかむことができました。でも、子どもが具体的に何に「興味」を持っているのかまではなかなか分からなかったのです。先生方からのフィードバックのおかげで、見えていなかった息子の一面を知ることができました。