私が家庭教師の先生方に最初に伝えた「目的」

 家庭教師の先生方と面会した際、私は、息子の受験勉強に対しての考えをこう伝えました。

 「普通であれば、受験勉強のゴールは、第一志望校に受かることだと思います。先生も、生徒を合格させてこそミッション達成だとお考えだと思います。でも、実は私はそれを最優先とは考えていません。もちろん、合格するに越したことはありませんが、それ以上に、勉強を通じて息子に何らかの気付きや学びを得てもらいたい。学習する、勉強することの楽しさ・喜びを体感してもらいたい。受験はその手段の一つにすぎないと考えています」

 「だから、合格を目的に対策するだけでなく、勉強するテーマに対して彼が興味を抱けるように導いてあげてほしいのです。学んでいく中で、彼なりの興味関心のポイントがどこかにあると思いますので、それを見つけてフィードバックしていただくようお願いします」

 先生方はそんな私の意向をくみ取り、指導にあたってくれました。今、振り返ると、私が恐れ多くもお伝えしたこの方針は「正解だった」と感じています。

 こうして、ようやく長男の本格的な受験勉強がスタートしました。次回は、9月から本番の1月まで、「オール教科・家庭教師&個別指導」体制での学習が息子にどんな変化をもたらしたのかをお話しします。

(ライター/青木典子、撮影/鈴木愛子)