子どもはパパやママの行動のまねをしたり、親に喜んでもらったりすることが大好き。洗濯や食事の準備などの日常の家事をじっと見ていて「私(僕)もやりたい!」と主張することもあるかもしれません。そんなとき、共働きの慌ただしい生活リズムの中で、「一人で(片付けたほうが効率がいいから)大丈夫」「(もっと大事な)遊びや勉強を優先していていいよ」などと、知らないうちに子どものやる気の芽を摘んでしまっていませんか?

キャリア形成の大切さや社会の厳しさを肌身で感じているDUALファミリーだからこそ、習い事や学業など将来に困らないスキルに注力しがちになりますが、子どもの成長の基礎となるのは、やはり日常の生活環境。今回取材した幼児教育、食育、ビジネスそれぞれの第一人者は、専門分野は異なりますが「お手伝いを通じた家庭教育が、自己肯定感と高い人間力を育む」と口をそろえます。

家事参加の小さな積み重ねは、将来の子ども達にどう影響していくのか? お手伝いの効果を検証しつつ、家族の関わりをより豊かに、親子のコミュニケーションにも役立ててもらいたい、と日経DUALでは「お手伝いする子は脳と心が伸びる! 特集」を企画。第一回では、日本にモンテッソーリ教育がリバイバルした1960年代から、この教育の根拠や構造など理論的紹介を著書や講義・講演などで精力的に続けてきた相良敦子さんに、子どもの感性と脳の発達が飛躍的に伸びる1歳から6歳までの間にお手伝いをすることの大切さや、日常生活を通して子どもを上手に導く親の関わりかたについて聞いていきます。

【お手伝いする子は脳と心が伸びる! 特集】
第1回 相良敦子 モンテッソーリに学ぶ1歳からのお手伝い ←今回はココ
第2回 3歳からは「二度目のチャンス」 知性を育むお仕事
第3回 1歳からの台所育児 6歳までの経験が脳を伸ばす
第4回 食の自立は生きる力そのもの 科学への興味の芽
第5回 子の就職力を高める「ヒマ・貧乏・お手伝い」習慣