質の高いサービスを提供するための根幹はやはり人材教育

羽生 日経DUALの読者の皆さんは、子育てはもちろん、仕事にもしっかりと打ち込んでいらっしゃる方が多くいらっしゃるんです。管理職やチームリーダーの立場となって「マネジメント」に悩んでいるという声もよく聞かれます。麻衣子さんの場合は、組織のマネジメントにおいてどんなところに力を入れていらっしゃいますか?

 なんといっても「人」ですね。質の高いサービスを提供するための根幹はやはり人材教育です。人材のことを、私たちの会社では「人財」と表現しているのですが、まさに人を宝として、よりよい人材教育を追求しています。すべてのスタッフに対して研修制度を用意していますし、さらにその達成度が私たち経営陣からもわかるように可視化するシステムづくりを進めています。そして評価にもしっかりと反映していくことも重視しています。

羽生 日経DUALで調査を実施させていただいた際にも、ポピンズさんがいかに本気でスタッフ教育をなさっているかがビシビシと伝わってきました。「保育園に入れるだけラッキー」という状況のなか、親の本音としては「わが子は大切に扱われているのか」という不安は常にあります。私たちの調査では、6割の読者が「保育の質に不安がある」と回答しました。私自身も正直、民間企業が提供する保育サービスでどこまで「スタッフの質」が優先されているのか?という思いもあったのですが、調査の回答を集計しながら考えが改まりました。

 ありがとうございます。やっぱり人しかない。それに尽きるんです。いくら保育の資格を持っていたとしても、心がなければ何も発信できないと私は思います。例えば、保育士の資格を取得したばかりの20歳の方と、3人のお子さんを育て上げたベテランお母さんでは、どちらに安心して頼ることができるでしょうか? 資格の有無だけでははかれない感性や経験といった部分を“人財の質”として高めていく。民間ならではの視点が、そのままマネジメントにも反映されていると思います。