「家事はこれさえできていればOK」というルール作りを

 親の不調を察知して「子どもが不安定だな」と感じる場合でも、理由が分かるなら、大きな問題はありません。大人だって元気な日もあれば、心がざわざわする日もあります。「子どもが一時的に不安定になるのを過剰に恐れないこと」が大切です。3カ月以上、不安な状態が続くと人格形成に影響するといわれていますが、不安な状態がそれほど長期で続くことはほぼないでしょうから、あまり心配することはありません。理由が分かっているときの不安定さには、スキンシップが大切です。いつもよりふれ合いを多くするなどして落ち着かせてあげましょう。

 パパとママの自己管理も大事です。家のことに関しては、完璧を目指さず、「これだけはやっておきたい」「これはやらなくてもいい」という線引きを普段から決めておきましょう。あれもこれもやりたいと思っていても、独り身のときとは違って思い通りにはいきません。「これだけやっておけばOK」という自分自身が決めたルールさえ守れればいいのです。

 体調を崩してしまうのは仕方のないこと。「手放すこと」を決めていない人ほど落ち込んでしまいがちです。体調が悪いだけで「子どもに迷惑をかけてしまっている」と自責の念に駆られたり、パートナーに言われたささいな言葉で落ち込んだりしてしまうこともあります。自分がやれることはやってある、という自負があれば「少々のことは仕方がない」と思えるものです。

 「自分はこういうルールでやっているよ」ということを、常日ごろ、夫婦間や家族みんなで共有しておくことが大切ですよ。

(1P目、3P目のイメージカット/鈴木愛子)