高校のキャリア教育授業で「『好き』を仕事にできる人は一握り」と断言するワケ
ある高校から頼まれて、キャリア教育の出前授業をしていた時期がある。
その壇上で、最初にこんな話をする。
「大人になってから趣味で歌がうまくなりたいと思い、ボーカルスクールに通った時期があります。そこには、『プロ養成コース』という講座がありました。あなたもCDデビューができる、と書いてあり、月に5万円以上します。ある日、そのスクールで合同ライブがありました。プロになりたい人も、趣味でやっている人も同じステージに立ちます。そのとき、ある女性がステージで言いました。『私は28歳で、会社を辞めてプロのアーティストになるためにがんばっています!』と。しかし、彼女の歌は全然うまくなかったのです。今は、パソコン上で曲を作り、100円もあればCDに焼いて売ろうと思えば売れる時代です。そういう、人の夢につけこむビジネスがあることも知っておいてください。『好き』をストレートに仕事にできる人は、ごく一握りです」
最後に、挑戦的な視線を投げてくる生徒の目を見据えて、付け加える。
「今の話を聞いて、『いや、自分は絶対に夢を叶える。このオバサンの言う通りにはならない!』と悔しい気持ちになっている人、言葉だけでなく努力している人は大丈夫です。その情熱を忘れないでください」と。
「好き」を持っている人は強い。
それが職業になっていれば、なおさらだ。
好きだと努力が苦にならない。
一方で「好きなことが見つからない」と悩む人がいる。
それは、「好き」の範囲を大きく捉え過ぎているからだと思う。
次ページから読める内容
- 好きとまでは言えなくても、「苦にならないこと」ならあるはずだ
- 子どもが嫌がらずに自然とやっている行動に、その子の「好きの種」がある
- 「好きの言語化」は親の務め
- 「『好きの種』を探そう」
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