私も、息子たちも中川先生の絵本が大好きです!
―― 先ほど、中川李枝子さんの作品を子どものころに読んでいたとおっしゃっていましたが、どんな作品を読んだか覚えていますか?
子どもと一緒に読んだものを含めると、『ぐりとぐら』、『そらいろのたね』、『ねことらくん』、『ももいろのきりん』、「とらた」シリーズ……などなどもう数え切れない。中川先生の作品は息子も私も大好きで、とてもお世話になりました。
絵本だけでなく、幼年童話もよく読みましたよ。『いやいやえん』はもちろん、『らいおんみどりの日ようび』『ガブリちゃん』は特にお気に入り。ガブリちゃんが豆を食べるシーンが大好きで、何度も何度も読んだ思い出があります。
―― 息子さんたちと、今でも絵本の話をしますか?
ときどき「小さいころにどんな絵本を読んだか覚えている?」と聞くことがあります。でも、息子たちが覚えている絵本は私が大好きで読み聞かせをした作品とは違っていて……。「なんで、そっちを覚えているの?!」ってびっくりすることも多いです(苦笑)。
―― 小島さんの絵本の選び方ってどんな感じですか?
中川先生が書いているように、「ママが好きだと思う絵本」をたくさん選んでいました。当時は、渋谷の大型書店の絵本売り場に頻繁に足を運んで、いろいろな絵本をチェックしては、息子たちに毎晩読み聞かせをしていました。改めて思い出すと、絵がきれいな作品やストーリーがシュールな作品、大人が何度も読みたくなる作品などが好きでしたね。『あたごの浦 讃岐のおはなし』(再話:脇 和子 絵:大道あや 出版社:福音館書店)という絵本を知っていますか? 「あたごの浦」に月夜の晩、海の生き物たちが一発芸をしに集まるんです。一発芸を見た生き物たちが「妙妙妙~~」と喜んで手を叩くのですが、それがとてもシュールで面白くて。絵も素晴らしく、大好きな絵本でした。
―― 本当にたくさんの絵本を息子さんたちに読んであげたんですね。
寝る前に読むことが多いので、息子たちの間に寝転んで、一緒に絵本を眺めます。私の読み聞かせは、演劇のよう。魔法使いの怖いおばあさんが出てくる場面は「怖いおばあさんだよ~!」と声を変えて演じ切りました(笑)。
―― さすがプロ! ずっと聞いていたくなっちゃいますね。
息子たちのお気に入りの作品は1日に何十回も「もう一回読んで!」とリクエストがあって、「いったい、いつ君たちは眠るの……?」と途方に暮れたことも、一度や二度ではないですね(笑)。
―― 今日は中川李枝子さんの本をきっかけに、小島さんと母・息子さんとのお話、おすすめ絵本などたくさんお話しくださりありがとうございました。
出典:絵本ナビ 撮影/所靖子(絵本ナビ)