明日、死んだら・・・と考えて、やりたいことをやる

 カヨさんは前の会社を辞めて、夫の扶養家族になりました。ずっと働いてきたので、扶養に入るときに抵抗感がなかったわけではありません。「今の給料を夫に教えたら、少なくて驚かれました。でも自分がやりたいことがやれて、結果が出せればいいと思っています。ボランティアではないから、ある程度の収入は必要ですが」

 やりたいことはできない大企業に勤め続けて安定した収入を得るか、収入は期待できないけれどやりたいことをやるか。

 カヨさんはやりたいことをやる人生を選びました。「行動するかどうかの違いだと思います。明日、死んだらどうしますか。そう考えると、やりたいことをやったほうがいい。お金がないなら、ないなりの生活をしよう。わが家は住宅や車のローンもないし、好きなことをやろうと決断できました」とカヨさん。

 先日は1週間、子ども達の世話を義父母に頼み、中国へ。カヨさんは「留学経験があり、日中関係の仕事にかかわっている」ということで、大使館から声がかかって招かれたそうです。働いていたので事情はよく知っていますが、久しぶりに現地の大学や企業の人たちと交流して、中国との「縁」を改めて感じました。日本から一緒に行ったメンバーは起業している人が多く、刺激を受けました。

 カヨさんには、以前から、40代でNPOか会社を始めるという目標があります。

 カヨさんの具体的なプランは、実家のある静岡で地域おこしに貢献したいということ。前に勤めていた会社を辞めるとき、顧問にやりたいことがあると話したら、専門家を紹介してくれました。NPOにはどんな助成があるか教えてもらったことも。地元の農家や旅館の知り合いにも、相談しています。

 商店街で空いている店舗を使い、天候に左右されず子どもが遊べるところを作りたい。農家の有機野菜をネット販売するのもいいし、観光客が農家を訪ねて地元の産物で料理を楽しむのもいい。海や緑や、自然に恵まれた土地なので、自然体験のツアーもできそう。泊まる場所は、民宿や、高級旅館や、予算に合わせて選べる。国内からだけでなく、中国からどうやって地方に観光客を招くかも考えたい…。

 3児のママ、カヨさんの夢は、どんどん膨らんでいます。

(イメージカット/吉澤咲子)