子どもが小学生になると、共働き家庭を待ち受けているのが、放課後の過ごし方問題。親が帰ってくるまでの時間や長い夏休みを、子どもがどんな環境でどう過ごすのかは親にとって頭の痛い問題です。それまでの保育園時代から生活ががらりと変わるため、「小1の壁」と呼ばれることもあります。学童は、そうした家庭にとって心強い存在でしょう。学童とひと言で言っても、実はその種類や特徴は自治体や運営者によって様々。この特集では5回にわたり、学童の使い方ノウハウを紹介していきます。
 最終回の今回は、公立学童を紹介します。治安・学力・貧困の連鎖の3つの課題から改善に向かっている足立区と、日経DUALの独自調査「共働き子育てしやすい街ランキング」の東京編で上位にランクインした千代田区の公立学童に潜入。子ども達の様子や送り迎え、おやつ、保護者との連絡方法など、気になる公立学童の過ごし方をリポートします。

【学童の選び方・使い方 特集】
第1回 子どもの放課後の居場所、学童は民間それとも公立?
第2回 小1の壁、小4の壁 夏休みはこうして乗り切った
第3回 民間学童 東京・横浜・大阪ずらり一覧を公開!
第4回 放課後の送迎、勉強、食事…民間学童使い方テク
第5回 公立学童ってどんなところ? 都内2カ所を訪れてみた  ←今回はココ

小学校6年生まで受け入れ。改善が進む公立学童

 区市町村が設置し、学校施設内や児童館内などで開設されている公立学童。民間学童と比べて、基本時間が17時、18時までと短いところが多いものの、料金が安く、指導員が見守るなか、子ども達が放課後を過ごすことができます。学校に併設している学童であれば、移動面でも安心です。

 以前は学童保育の対象が「おおむね10歳未満の小学生」とされていたため、3年生までしか受け入れてくれない公立学童があり、4年生になると行き場がなくなる子どもがいました。ですが、2015年4月に施行された児童福祉法改正により、学童保育の対象が小学校6年生まで引き上げられました

 併せて、今までは公立学童の開設基準が明確に決められていなかったのですが、預かる子どもの数はおおむね40人以下、放課後児童支援員と呼ばれる指導員の数は2人以上など、設備や運営に関する基準が新たに設けられ、改善されています。

 では、実際子ども達は達放課後の時間をどのように過ごしているのでしょう。足立区にある「千住あずま学童保育室」と千代田区にある「西神田学童クラブ」の2つの公設公営学童を訪れました。施設や子ども達を見て感じたことなども含め、詳しくリポートします!

産後間もないママやお年寄りとの交流も

【足立区】子育てサロン、児童館などが集まる住区センターに併設された学童

 足立区内の公設学童は、区の直営が5カ所、指定管理者による運営が9カ所、民間運営が13カ所あり、残りの70カ所以上は住区センターと呼ばれるコミュニティセンター内にある学童と小学校などに併設された分室と呼ばれる学童で構成されています。

 今回訪れたのは、足立区に48カ所ある住区センターのうちの1つ、千住あずま住区センターに併設されている「千住あずま学童保育室」。いわゆる「公設公営」の学童です。

 2016年4月に建て替えたばかりの建物は4階建て。学童保育室のほか、就学前の小さな子どもとその保護者を対象にした「子育てサロン」、0~18歳対象の子どもの遊び場「児童館」、60歳以上の高齢者を対象にした「悠々館」、サークル活動などが行える「集会室」があります。

 館内は新しいこともあり、清潔で明るい雰囲気。小さな赤ちゃんを連れたママからお年寄りまで、様々な年代の人が行き来しています。

 「住区センターは、地域の住民組織である管理運営委員会で運営されています。住区センターが一体となって進める行事やイベントもあり、多世代と交流することができます」と教えてくれたのは、足立区地域のちから推進部住区推進課の矢野恵子さん。

 「学童保育室と子育てサロンは同じ階にあるので、子育てサロンに来るママや赤ちゃんと自然に触れ合いが生まれます。学童の子ども達が、産後間もないママから出産の話を聞く機会も設けています。ママにとっても数年後のわが子の姿を想像できるので、好評のようです。悠々館に来るお年寄りから盆踊りやこまなど昔の遊びを教わることも。夏休みは毎朝一緒にラジオ体操をしているんですよ」(矢野さん)

カメラを向けると、元気いっぱいに応えてくれた千住あずま学童の子ども達
カメラを向けると、元気いっぱいに応えてくれた千住あずま学童の子ども達

<次ページからの内容>
・保護者とのやり取り手段は? ケガやトラブルが起きたら?
・宿題は子どもの自主性に任せる
・17時、18時を過ぎたら1人帰りはNG。帰宅時間に合わせて周辺をパトロール
・毎週行われる体操、卓球、工作タイム。お祭りや新年お楽しみ会など行事も豊富

次ページから読める内容

  • 各自歩きや電車で学童へ。連絡帳を通じて保護者とやり取り
  • 子どもは3年生が中心。定員50人に対して3人の職員が担当
  • 学童保育室と児童館を自由に行き来。宿題は自主性に任せる
  • おやつは子どもの意見を取り入れ工夫。手作りは難しい
  • 出欠をきちんと管理。18時を過ぎたら1人帰りはNG
  • 学童に着いたらすぐに宿題。その後おやつを食べてから自由時間
  • 毎週行われる体操、卓球、工作タイム。お祭りや新年お楽しみ会など行事も豊富
  • 帰宅時間に合わせて周辺をパトロール。保護者と学校と密に連絡を取る

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