3カ月後、「学習量」と「勉強の質」はどう変わる?
小川先生はこう続けます。
「こちらの表を見てください。これは大手進学塾の4年生~6年生までの3年間の学習量を表したものです。4年生から5年生に学年が上がると、それまでの学習量からいきなり1.5倍に、5年生から6年生に学年が上がると、さらに1.5~2倍に増えます。1年間の間に徐々に増えるのではありません。新学年がスタートする2月を境に一気に増えるのです」
「変わるのは学習量だけではありません。勉強の質も変わってきます。中学受験の勉強は、4年生のうちはまだ基礎的な内容のため、それほど難しくはなく、反復演習と丸暗記でも対応が可能です。ところが、5年生になると、4年生で学習した基礎知識をベースに“考える問題”が増えてきます。また、問題を速く読む、計算を速く解くなどの情報処理能力が求められるようになります。そして、受験で必要な分野の8割を学習し終えます。つまり、授業がどんどん進むうえに、学習内容も難しくなり、それまでの勉強のやり方では太刀打ちできなくなってしまうのです」
「6年生からは大量の演習問題を解き、入試の対応力をつけていきます。それと同時に、4年生からの膨大な知識を再確認していかなければなりません。こうした状況が、あと3カ月でやってきます」
「そして、一度スタートをすると、日々の学習に追われ、苦手単元の克服やクラスを上げるためのテスト勉強に十分な時間を割くことができなくなります。だからこそ、新学年に上がる前のこのタイミングで、できるだけ“苦手”をなくし、クラスアップを目指すことが大事なのです。そして、新学期を迎えた途端に慌てないように、心の準備をしておくのです」
とはいえ、今現在、既に手いっぱいだというご家庭もあるのではないでしょうか? そういうお子さんは、どのように対応すればよいのでしょう?