去る10月25日、本連載でおなじみの中学受験専門のプロ家庭教師の西村則康先生と、中学受験専門個別指導教室SS-1代表の小川大介先生による中学受験対策セミナー「新学年 スタートダッシュのための進学セミナー」が開催されました。テーマは、来年2月、塾の新学期を迎える前の「この『3カ月』にやっておくべきこと」。
以後、3回に分けて、このセミナーのポイントをご紹介します。ひとくちに新学期といっても、学年によってやるべきことは異なります。第1回は、この「3カ月」が何を意味し、どんな過ごし方をするのが望ましいかをお伝えします。
塾の学年が一つ上がることにより、何が変わるのか?
中学受験専門個別指導教室SS-1代表の小川大介先生
11月になり、塾の新学年を迎えるまであと3カ月となりました。この「3カ月」と聞いて、中学受験を考えているご家庭の皆さんはどう感じられるでしょうか? 「えー!? もう新6年生になってしまうの?」「どうしよう! 新学年になるまでになんとかクラスを上げさせなくちゃ!」と焦っている方もいるでしょうし、「えっ? 何のこと?」と、この3カ月の重要性に気づかず、まだ何も感じていない方もいるかもしれません。
「ハッキリ言います。中学受験の進め方で重要なのは『新学年でいかに好スタートを切れるか』です。新学年になるまであと3カ月。この3カ月に何をするかを明確に決め実行する子と、何をしてよいのか分からずただ闇雲に勉強をしてしまう子とでは、その結果に大きな差が出ます」
開口一番、そう話すのは、中学受験専門個別指導教室SS-1代表の小川大介先生です。
では、なぜこの3カ月が重要なのでしょうか?
小川先生はこう話します。
「中学受験をするのなら、今の時代は大手進学塾に通うことは必須です。なぜなら大手進学塾には、中学受験に必要なカリキュラムがすべてそろっているからです。しかし、そのカリキュラムは、テキストも含め、成績が優秀な子を基準に作られています。そして、授業もそのカリキュラムに沿って進められていくため、上位クラスと下位クラスとでは、学習の深度も取り組む問題の難易度も違ってきます」
「にもかかわらずサピックスなどでは、クラスのレベルにかかわらず、同じ内容のテストが実施されます。下位クラスでは授業で習っていないことも出題されるため、思うように点は取れません。つまり、一度クラスが決まると後になって挽回するのが難しいということです。そして、それは時間が経てば経つほど困難な状態になります。ですから、できるだけ早くクラスを上げておくことが望ましいのです。特に新学年を迎える前、またはそのタイミングでクラスを上げることが大事です」
以前の記事「中学受験 大手塾の入塾テストを甘く見ると後悔する」でもお伝えしましたが、大手進学塾は上位クラスにいるほど、有利なシステムになっています。ですから、できるだけ早くクラスを上げることが望ましいというのは理解できます。
でもなぜ、新学年に上がる前のこのタイミングでの“クラスアップ”が重要なのでしょうか?
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