年表に載るのが夢。仕事好きな父に男の子のように育てられた子ども時代
熊本出身で父は地方銀行勤務、母は専業主婦という保守的な家庭に育った端羽さん。三姉妹の末っ子で、一番上の姉とは10歳違い。そのため、大人が近くにいる環境で活発な幼少期を過ごしました。
父は仕事が大好きな人で、家で仕事の話をよくしてくれていたそう。
「俺が地域の経済を支えているんだ、というくらい強い仕事人の思いがあって。その姿を見て、働くっていいな、と。父は男の子が欲しかったようで、三女の私を長男のように育てていたこともあり、女の子らしくしなさい、と言われたことはありません。小さいころは、歴史が好きだったので年表に載るのが夢でした」
経済学部に進学。公務員志望から一転、就職に切り替え
高校時代は進学校に通い、単身赴任をしていた父がいる東京の大学を受験。銀行勤務の父の影響で経済学部に進学しました。
「周りの話を聞いて面白そうだと思い、大学3年生の最初のころまでは国家公務員試験を受けようと思っていました。いつか留学をしたかったので、留学制度があるのもいいなと。それが、結婚することになる男性と出会い、勉強するよりも恋のほうが楽しくなってしまって(笑)。留学できるくらい稼げばいいと思い、民間への就職に切り替えました」
就職活動をしている中で、外資系金融会社のインターンに参加。部門ごとに採用するスタイルがプロフェッショナルだと感じて受けてみたところ、見事採用されました。
「色々な手法で企業の資金調達を支えたり、M&Aをサポートしたりする投資銀行部門に興味を持ちました。父が銀行員だったこともあり、日本の銀行より新しくて面白そうだと感じたところもあります。企業の活動を金融の面から支えるところもいいなと思いました」
就職目前に学生結婚。やらないよりも、やってみて後悔するほうがいい
その後、就職する直前の3月に当時お付き合いをしていた同級生と学生結婚。周囲から結婚が早過ぎると言われたこともあったそう。
「親が古く、お付き合いしたら結婚するものだと育てられてきたので、その通りに。親の教えは怖いですね(笑)。母も姉も21歳で結婚していたので、とくに抵抗はありませんでした。むしろやらなくて後悔するよりは、やってみて後悔するほうがいいと思いました」
就職、結婚という人生の節目を迎えた当時は、起業すると思っていなかったといいます。
「就職先を決めた後に結婚が決まったので、3年間死ぬほど働き留学をしよう。その後に自分で手に職をつけたほうが子どもを産んだときに仕事と両立できるのではないか、と思っていました。起業というより、独立したコンサルタントのイメージが強かったですね」