子どもが小学生になると、共働き家庭を待ち受けているのが、放課後の過ごし方問題。親が帰ってくるまでの時間や長い夏休みを、子どもがどんな環境でどう過ごすのかは親にとって頭の痛い問題です。それまでの保育園時代から生活ががらりと変わるため、「小1の壁」と呼ばれることもあります。学童は、そうした家庭にとって心強い存在でしょう。学童とひと言で言っても、実はその種類や特徴は自治体や運営者によって様々。この特集では5回にわたり、学童の使い方ノウハウを紹介していきます。
 第2回の今回は、第1回に続いて先輩ワーキングマザー達の座談会の様子をお届けします。学童の内容や夏休み事情など、これから経験する人に役立つノウハウや体験談が満載です。 

【学童の選び方・使い方 特集】
第1回 子どもの放課後の居場所、学童は民間それとも公立?
第2回 小1の壁、小4の壁 夏休みはこうして乗り切った ←今回はココ
第3回 民間学童 東京・横浜・大阪ずらり一覧を公開
第4回 放課後の送迎、勉強、食事…民間学童使い方テク
第5回 公立学童ってどんなところ?都内2カ所を訪れてみた

【座談会参加者プロフィール】
三宅さん(仮名) 神奈川県横浜市在住。子どもは公立小学校1年生の女の子と2歳の男の子。長女が民間学童に週5日通い中。
坂口さん(仮名) 東京都世田谷区在住。子どもは公立小学校2年生の男の子。民間学童に週3日通い中。
藤原さん(仮名) 東京都大田区在住。子どもは公立小学校3年生の女の子。2年生まで公立学童に通っていた。最近は習い事やお留守番で過ごす日々。
橋本さん(仮名) 神奈川県横浜市在住。子どもは私立小学校5年生の男の子。小学校1年生から民間学童に週2回通っているが、最近はあまり通っていない。

公立は宿題タイムがない学童も。子どもの自主性に任されている

日経DUAL編集部 子どもが小学生になり、変わったことや困ったことはありますか?

三宅さん(以下、敬称略) 入学後しばらくは親が学校まで迎えに行く必要があったり、家庭訪問や役員決めなどの行事が平日に行われたりします。保育園時代には考えられないですよね。また、日々の連絡がすべて紙ベースになり、毎日プリントや連絡帳をチェックする必要があります。毎日先生と顔を合わせることがないので、分からないことがあっても気軽に聞けません。子どもの様子を直接確かめられないのが保育園との大きな違いだと思いました

橋本さん(以下、敬称略) 宿題やテストなど、勉強を見なければいけないのも大変ですよね。なので、うちは勉強の時間をきちんと取ってくれる民間学童を選びました。学童に着いたらまず宿題、それが終わってからおやつを食べるようになっています。

藤原さん(以下、敬称略) 宿題タイムは、うちの学区では公立学童でも夏休みの朝9時~10時の1時間はあります。夏休み以外にも1年生は、2年生、3年生が来る前の時間が宿題タイムになっています。とはいえ、基本、子どもの自主性に任されていますね

坂口さん(以下、敬称略) 学校の学童は宿題タイムはありますが、ちゃんとやっているかまでは確認してくれませんよね。宿題タイム自体がない学童もあるようで、みんながワーワー遊んでいる中、やりたい子どもだけが宿題をしているようです。民間は毎日宿題タイムがあり、子どもも少人数なので先生の声掛けも多いみたい。

三宅 通っている民間学童は学習スペースがあり、静かに勉強をすることができます。先生もケアをしてくれ、自然と机に向かう習慣がついてきたと思います。

―― 民間学童のカリキュラムはどんな感じなのでしょうか。

橋本 うちが通っているところは、English、Cooking、Science、Artなど、毎日アクティビティがあり無料で参加できます。長期休み中は、アスレチックや美術館、公園、博物館などへ連れて行ってくれたり、夏休みには2泊3日のサマーキャンプがあったり。ただ預かってくれるだけではないのがいいです。

坂口 うちも日常プログラムの他に、塾のように週に1回学べる講座が無料でついていて、算数や漢字などから1種類を選ぶことができます。追加料金を払えば、休日開催される稲刈り体験や国技館観戦などにも参加できます。

三宅 うちの子が通っている民間もそうですね。無料の英会話教室、有料の水泳教室、レゴ実験教室、サイエンス教室、書道教室など、日替わりで習い事を提供してくれるので、子どもも飽きずに楽しんでいるようです。

藤原 公立の学童もコマやヨーヨーなど日本の文化を学んだり、一輪車検定や塗り絵検定などを開催したり、様々な工夫をしてくれています。けれど、それが楽しいのは2年生まで。3年生になった今では、遊べるおもちゃがない。プログラムが学年ごとに分かれていないので、どうしても人数が多い1~2年生向けになってしまうんです。