「やっぱり女とはそうしたものさ」というセリフが想起させるのは…

 モーツァルトのオペラで『コジ・ファン・トゥッテ』という演目があるのをご存じだろうか。2組のラブラブなカップルがいるのだが、「女の愛なんて絶対じゃない」という哲学者にそそのかされて、男性達2人が誰だか分からないように変装し、それぞれ別のほうの彼女を誘惑するというストーリー。「彼女達は裏切らない」と思っていた男性達をよそに、女性2人とも、まんまと誘惑に引っかかって別の男性を好きになっちゃいます。チャンチャン。

 「やっぱり女とはそうしたものさ」と哲学者が言うセリフが、「コジ・ファン・トゥッテ」。

 今、こんな舞台を作ったら、「女性を軽視している」とかなんとか言われてしまうかもしれないようなちょっと危ういオペラなのだが、そこはモーツァルトの時代ということで。しかも、あの美しい曲に乗せて歌われたら、まっいいかと許してしまうものである。

 さて、今回、別に、今日はお互いのパートナーを誘惑しようなんていう話をするわけではない。最近、私の頭によく浮かぶ言葉がなんともモーツァルト的なフレーズで、このオペラを思い出してしまうのだ。そのフレーズとはこちら。

 「やっぱり、夫とはこうしたものよね」

 今回は、うちの夫君をはじめ、世の中の夫の皆さんの“いかにも夫”なエピソードを、妻のグチを交えて披露しつつ、ちょっとだけ「むっ」とされたとしても、最後はモーツァルトに免じて許してもらおうという心持ちで書き進めます。なので、怒らないでね、旦那様。

 では、早速。

 このコラムでもさんざん書いてきたように、うちの夫は色々子どものこともやってくれるほうだ。結構頑張っていると思う。本当に感謝している。

 でも、「ちょっと、そりゃないでしょうよ」ということもたくさんある。