チャーハンとかスパゲッティとか、結構美味しいものが作れるだろうに……

 おにぎり3個って、炭水化物オンリーか? 野菜は? タンパク質は? しかも、また幼稚園のすぐそばのコンビニで買ったって? 別にコンビニで買うのが悪い訳じゃないよ。でもさぁ……「あぁ、常連だから。いつも虎と2人でね」だって。あはは。常連も悪くない。でもさぁ……。

 チャーハンとかスパゲッティとか結構作るのに、どうしてそのやる気をこの機会に発動しないかな? 面倒かもしれないけど、ちょっとくらいバランスを考えて何か作ろうっていう日もあってもいいよね。できないならまだしも、結構美味しいもの作れるんだからさ。

 と、グチを言っていても仕方ないので、私が朝めちゃ早起きして、夜ごはんまで作ることにした。できる日は。

 でも、できない日も、やっぱりある。

 そんなできそうもないとき、夫が「俺がお弁当作ろうか?」と申し出てくれるというありがたいことがあった。おぉ! 素晴らしい。そんな殊勝な気持ちを持ってもらえるとは、ありがたいじゃないか。明日の朝早起きするのがつらいなぁと思っていたので、「本当? じゃぁ、お願いしようかな……」と言おうとしたタイミングで、「じゃあ、起こしてね」ときた。

 はぁ。あのぉ。それじゃ、全然私のつらさ、変わらないんだけど。

 だったら自分で作ったほうが早いし、ストレスがない。

 「いや、いいです。自分で作ります」と、お気持ちだけありがたく受け取っておいた。

 こんなとき、あんなとき、さっきのあのフレーズが頭にこだまする。

 「やっぱり、夫とはこうしたものよね」

 もちろん、世の全ての夫の皆さんが、わが夫と似たような感じだと決めつけるつもりは毛頭ない。ただ、世間の妻達のあれやこれやのトークの中で、“夫ってこういうもの”話は結構出てきたりする。

 「どうして、男の人って子どもが生まれても、それまでの自分のペースを変えないんだろう」
 「そうそう。朝の忙しい時間、子どもの世話の合い間に、こっちはお化粧数分でバババッてやってるのに、うちの主人なんて、ゆ~っくりゆ~っくり何十分もかけて歯磨きしてフロスかけたりしてる」
 「うちも、そこ、1分2分を争う時間帯だからっていうところで、のんびり朝ドラとか見られると、『おい!』ってなるわ」
 「なんで、子どもに余計なもの、食べさせたがるんだろう」
 「まだ早いでしょうっていう時期に炭酸飲料とかね」
 「チョコは解禁してないって言ってるのに、『どんな顔するか見たかったから、食べさせてみた』だって」
 「大人向けでしょっていう塩辛いスナックや、着色料ばんばん入ってそうなお菓子を、『一緒に食べよう』って買ってくる。いや、自分が食べたいだけなんじゃないの?」

 ……などという話に混じって、あるとき、こんな“最強な夫”話を耳にした。