「『ワーク・ライフ・バランスを大切にしたい』の裏には別の本音がないか?」

 「ママならではの制約のせいで、ある時期、『現状維持で満足』という発想を持つことは仕方のないことかもしれない。『ワーク・ライフ・バランスを大切にしたい』というママでも、実は本心では『そう思わないと折り合いがつかない』のでは? 裏をかえせば、その気持ちの根底にあるのは『もっと自分を輝かせたい』『もっと活躍できる場所があるはずだ』という報われない思いのはず。本心を凍結させて、見ないふりをしているだけ。ママ達を取り囲む環境の悪さがそう言わせているんだと思う」(Eさん)

「自分の心を偽って、やりたいことを封印するなんて全く意味が分からない。そもそも『仕事と家庭のほどよいバランス』なんて“甘い言葉”に正直『オエッ』とくる」(Fさん)

 「ぶらさがり社員に甘んじるママが増える一方で、自分が成長できる場所がないというジレンマを抱えるママ達がいたことも確かです。ママとして仕事と子育てそれぞれ全力投球で打ち込んだとしても、会社から評価されない。そのつらさは私も分かります。でも視点を変えれば、評価されないのは、むしろ当たり前。仕事に200%打ち込めた独身時代と比べれば、仕事100%子育て100%合せて200%の今は、会社から見れば100%の半分でしかない。今、思えば、会社に甘えていたと思う」(Gさん)

 「ママが適度にパフォーマンスを発揮しつつ、緩く働くには完璧な条件がそろっている会社だと言われていますが、平社員はともかく、マネジャーは違いますよ(笑)。経営対策としてKPIマネジメントの徹底を率先して掲げている以上、必ず成長しなければならないし、未達ということはあり得ない。『対前年比プラス40%』の目標を設定され、言い訳は一切聞いてもらえません。私も常に『去年の自分』との闘いでした。ちょっと頑張り過ぎたかなと思っても、翌年はもっと頑張らないとやっていけない。その繰り返し。それなりに頑張ったし、評価もしてもらっていたと思っています。でも、ある時期から私が成長する速さより、会社が成長する速度が早くなったのか、組織が大きくなるにつれ、自分がやりたい仕事にたどりつくまでにあまりにも時間がかかり過ぎるようになってしまった。自分が楽天でしか通用しない人材になってしまうことが怖かった。もっと挑戦できる環境に身を置きたくなったんです」(Hさん)