「楽天ほど、ママにとって条件のいい会社はない」

 「私が楽天に入社したのは、皆さんが産休の制度を作り上げてくださった後で、管理職のママも少なくない時期でした。楽天では結果さえ出していれば、『定時に帰らせてください』という主張も通ります。それなりに肩身の狭い思いはすることがあっても、時短でも減給されないため、お給料もいい。その意味では楽天ほど条件のいい会社は他にないことは分かっていました。でも、それなりの給与でやり過ごし、ぶらさがり社員となって現状に甘んじてしまえば自分の成長の可能性や選択肢を狭めるという側面も否めません。私はリスクはありましたが、起業という道を選択しました」(Bさん)

 「育休から復帰後、6年ぐらい同じ職種で異動がありませんでした。異動がなかったのは会社としての配慮もあったことは十分に承知しています。でも、自分の中では『もっと成長したい』『新しいことにチャレンジしたい』という思いが常にくすぶっていました。いわゆる“マミートラック”です。私自身、家庭が疎かになると仕事にも集中できないタイプです。子どものお受験のタイミングと重なり、悩んだ結果、時間や場所にとらわれずにチャレンジできる環境を選択し、最後に出した答えが『起業』でした」(Cさん)

 「ママになると、どうしても『守りのフェーズ』にならなきゃならない時期もある。我慢してやり過ごすママが多い中、『何か他に解決策があるはずだ』と探る癖は楽天で身についたのかもしれません。時短勤務で子どもを実家の母に預けていたこともあり、それまで通勤時間に往復3時間掛けていたのですが、『まずこれが無駄ではないか』と思い当たりました。『職場を家の近くにして通勤時間を減らす環境に身を置けばフルタイムで働ける』という発想から、自転車で5分の地元の会社への転職を決意しました。子連れの転職は苦戦しましたが、心置きなく仕事ができるようになり、結果としてよかったと思っています」(Dさん)