先月、内閣官房の国際広報室に着任した羽田由美子さんは3人の男の子を育てる母。大学院卒業後に経済産業省に入省し、3回の産休・育休を取りながら働き続けてきました。主に同じく官僚の夫と分担するという現在の“3人育児法”に辿り着くまでの道のりは山あり谷あり。乗り越えてきた過去と、これからの展望について、聞いてきました(取材時は、経済産業省秘書課に在籍)。

息子3人と一緒に遊びながら育む社会性に感謝

藤村 小学校1年生、年少さん、2歳と、まだ小さい息子さん3人を育てながらのフルタイム勤務。とてつもなく大変なのではないかと思ってしまいますが、どのようなスケジュールで毎日のスケジュールを回していますか?

羽田さん(以下、敬称略) 朝は長男を小学校に送り出してから保育園に2人を連れて行くという日々です。長男は学童から1人で帰ってくるので、その時間までに保育園に迎えに行くタスクを夫婦で週2日ずつ分担し、残りの1日はそう遠くない所に暮らしている私の実母にお願いしています。

 子ども達が病気のときには実母に看病をお願いすることもありますが、そこまで忙しくなければ「俺が休むよ」と主人が休んでくれることが多いですね。主人は他の省庁で働いているのですが、最近はとても協力的なので助かっています。

―― 「女の子以上に子育てが大変」と耳にすることもある“男の子”が3人。毎日とても賑やかそうですね。

羽田 いわゆる“男の子育児”の大変さはありますよね。小学生の長男は宿題の取り組み方も本当に雑なんですよ。字が本当に汚くて、学校の先生は綺麗になるまで指導してくださっているのですが、もう親としては見切れないと思うくらいです。

 ただ、息子達はみんな一緒に遊ぶので、一人ひとりにそれぞれ手間がかかるということはなく、「ありがたいな」と感じることもありますね。一番下の子が1歳半を過ぎたころからは、上の2人を追いかけて、同じことをしようとするんです。「自分も一緒にやりたい」とか、「自分にも同じものをくれ」だとか。特に次男は長男と遊んだり三男と遊んだり、とても上手にやってくれていますね。

 兄弟が多いと社会性が身に付くともいいますが、3人とも、私が「もう知りません」と怒ったときには、その雰囲気を感じながら、子ども同士で「これはもうダメだから止めよう」とか「お母さんが怒っているからこうしたらどう?」とお互いに説得していたりもします。

 反対に、「あの子はどうしてもこれをやりたいみたいだから、お母さん1回だけは許してあげて」とお願いされることもありました。そう言われてしまったら、私のほうがごめんなさいって感じですね(笑)。長男も面倒見は良いと思います。

内閣官房の国際広報室に着任した羽田由美子さん
内閣官房の国際広報室に着任した羽田由美子さん