共働き中学受験 基本のキ

「中学受験をしない」子が小中学時代すべきことは?

勉強も嫌いじゃない。でも、習い事やスポーツも続けたい

  • 越南小町
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一般的に中学受験の勉強は、3年生の2月からスタートします。それは中学受験に不可欠といわれる大手進学塾の受験カリキュラムがスタートするのが、その時期だからです。大手進学塾に通うには、3年生の12~1月に実施される入塾テストにパスしなければなりません。それには、3年生の秋からテスト対策をするのが望ましいといわれています。つまり、中学受験を「する」「しない」の選択は、3年生の秋までには決めておくべきということです。

しかし、3年生といえば、まだ遊びたい盛り。例えば男の子なら、低学年から始めた野球やサッカーが上達し、そろそろ本格的な試合にも出始め、夢中になっているころではないでしょうか。「勉強は好き、そして得意。でも、スポーツはやめたくない!」。しかし、中学受験の勉強は学年が上がるにつれ、ハードになっていきます。今すぐやめる必要はなくても、いずれ受験勉強が本格化してくると、やめざる得ない状況になってしまうのです。そんなお子さんは、中学受験を選ぶべきでしょうか? 高校受験を選ぶべきでしょうか? 本連載でおなじみの西村則康先生に聞いてみました。

息子はサッカーに夢中。学校の成績はいいけれど、塾に行く時間はなくて……

西村則康先生
西村則康先生

 西村先生のところに、あるお母さんと2年生の男の子(M君)が相談にやってきました。M君は小学校入学前から始めたサッカーに夢中。一方、3歳年上の5年生のお姉ちゃんは、3年生のときから中学受験を意識し始め、今順調に受験勉強に励んでいます。

 M君自身も勉強は好きで、学校の成績も良く、これから大手進学塾に通わせて中学受験の勉強をすれば、それなりの難関校を狙えるのではないか、とお母さんは期待しています。

 ところが、当の本人は、「勉強は好きだし楽しいけれど、サッカーはやめたくない」と言います。

 さて、このような場合はどうしたらよいでしょうか?

 西村先生はこう答えます。

 「今、サッカーが好きで楽しくてしょうがないというのなら、無理に中学受験を始めさせないほうがいいでしょう。中学受験をする理由は、各家庭によって様々です。大学進学実績でいえば、今は東京都立日比谷高校のように、公立高校でも高い進学実績を出している学校もたくさんあるので、高校受験で頑張るという選択もありだと思います」

 「また、今の時点ではどうしても決められないというのなら、しばらく様子を見てみるのもいいと思います。学校の成績が良くて、計算など処理能力のある子であれば、4年生になったら週2回2~3時間程度の個別指導塾に行かせるか家庭教師をつけ、万が一、『中学受験をする』という選択に変わったときの準備をしておくといいでしょう」

 「でも、『中学受験をする』と決意が固まったら、遅くても5年生からは大手進学塾に通わせるべきです。そのときは、サッカーは一時お休みをさせるのがベターでしょう。大手進学塾では5年生になると学習内容が難しくなり、学習量も多くなります。平日は大手進学塾に通い、土日はサッカーに行くといった両天秤でうまくいくケースは現実的には少なく、あまりおすすめしません」

※ 大好評の日経DUAL書籍『中学受験 基本のキ!』の[新版]が出版されました!

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「受験初心者から本番直前の6年生まで」 DUALの本
『中学受験 基本のキ! [新版]』 発売!
著者/西村則康・小川大介
価格/1620円(税込み)

【第1章】 わが子に中学受験をさせるか否か?
【第2章】 中学受験のパートナー 塾との付き合い方
【第3章】 受験生 普段の勉強と、長期休みの戦略的な活用方法
【第4章】 男女御三家と早慶付属校の最新問題傾向
【巻末付録】 必見!プロがすすめる併願パターン 74校が登場

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次ページから読める内容

  • 高校受験を選ぶなら、小学生のうちから基礎知識と処理能力だけはつけておく
  • 中学生になったら「高校受験」があるということをしっかり伝え、ギアチェンジする
  • トップレベルの都立高校を志望するなら、成績は「オール5」を目指して
  • 中学校で伸びる子は、自己肯定感がある子
  • 中学校受験をさせるか、高校受験まで待つか?

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