息子はサッカーに夢中。学校の成績はいいけれど、塾に行く時間はなくて……
西村則康先生
西村先生のところに、あるお母さんと2年生の男の子(M君)が相談にやってきました。M君は小学校入学前から始めたサッカーに夢中。一方、3歳年上の5年生のお姉ちゃんは、3年生のときから中学受験を意識し始め、今順調に受験勉強に励んでいます。
M君自身も勉強は好きで、学校の成績も良く、これから大手進学塾に通わせて中学受験の勉強をすれば、それなりの難関校を狙えるのではないか、とお母さんは期待しています。
ところが、当の本人は、「勉強は好きだし楽しいけれど、サッカーはやめたくない」と言います。
さて、このような場合はどうしたらよいでしょうか?
西村先生はこう答えます。
「今、サッカーが好きで楽しくてしょうがないというのなら、無理に中学受験を始めさせないほうがいいでしょう。中学受験をする理由は、各家庭によって様々です。大学進学実績でいえば、今は東京都立日比谷高校のように、公立高校でも高い進学実績を出している学校もたくさんあるので、高校受験で頑張るという選択もありだと思います」
「また、今の時点ではどうしても決められないというのなら、しばらく様子を見てみるのもいいと思います。学校の成績が良くて、計算など処理能力のある子であれば、4年生になったら週2回2~3時間程度の個別指導塾に行かせるか家庭教師をつけ、万が一、『中学受験をする』という選択に変わったときの準備をしておくといいでしょう」
「でも、『中学受験をする』と決意が固まったら、遅くても5年生からは大手進学塾に通わせるべきです。そのときは、サッカーは一時お休みをさせるのがベターでしょう。大手進学塾では5年生になると学習内容が難しくなり、学習量も多くなります。平日は大手進学塾に通い、土日はサッカーに行くといった両天秤でうまくいくケースは現実的には少なく、あまりおすすめしません」
次ページから読める内容
- 高校受験を選ぶなら、小学生のうちから基礎知識と処理能力だけはつけておく
- 中学生になったら「高校受験」があるということをしっかり伝え、ギアチェンジする
- トップレベルの都立高校を志望するなら、成績は「オール5」を目指して
- 中学校で伸びる子は、自己肯定感がある子
- 中学校受験をさせるか、高校受験まで待つか?