皆さん、こんにちは。治部れんげです。今回は読者の皆さんにお願いがあります。今、私は東京都の男女平等参画審議会委員を務めています。この審議会ではこれまで「東京都男女平等参画計画」について議論をしてきました。

先日、計画に関する「中間のまとめ」が出来上がり、10月11日(火)~24日(月)までの2週間、こちらのサイトで公表し、都民の皆さんのご意見を募集しています。日経DUALの読者層の関心が高そうなテーマを多く扱っていますので、ぜひ読んでご意見をお寄せいただけるとうれしいです。

東京都の男女平等政策について、何をいつまでに実行するかが明記されている

 そもそも「男女平等参画計画」とは、何でしょうか? 社会学者で女性政策に詳しい皆川満寿美さんは次のように解説します。

 「男女平等参画計画とは、『日本社会における男女平等(ジェンダー平等)を日本の行政のアクションとしてどのように実現するか、年限を切って具体的に実行させる文書』です。国が定める男女共同参画社会基本法は、計画策定を国に義務づけていますが、都道府県にも義務づけています。また、千葉県を除く都道府県は別に条例を持っており、計画策定は、そこでも義務づけられています(なお、東京都は「男女共同参画」ではなく「男女平等参画」と呼んでいます)。日本はこのようにして男女平等を進めようとしているのです」

 つまり今回、東京都が公表している「男女平等参画計画の中間まとめ」は、法律に基づいて作られた計画ということです。また、都の男女平等政策について、何をいつまでに実行するかが具体的に書かれているところが特徴です。実際、今回の審議会では「PDCAサイクルを意識して計画を作るべき」という意見に基づき、そうした内容も盛り込まれています。

 それでは私達はこの計画をどのように活用することができるのでしょうか? 再び皆川さんに聞いてみます。

 「とはいえ『計画』においては、監視や評価についてきちんと制度化されていないので、実効性は弱いです。でも、計画に書いた以上は都道府県には説明責任が発生します。『どうして実現できなかったのですか?』と問われる機会があれば、都庁や県庁はその質問に答えなければなりません。また、今回の『都民ご意見募集』のようなパブリックコメント制度も、コメントが出されたら都庁側は『やる/やらない』『それはどうして?』ということを答えなければなりません。市民にとって男女計画は、政策実現に関わることができる重要な機会だと思っています」

 今回、公表された東京都の「男女平等参画計画」は、2つに分かれています。「東京都女性活躍推進計画」と「東京都配偶者暴力対策基本計画」です。前者は仕事や地域における女性の活躍について、後者はドメスティック・バイオレンスや性暴力など、女性に対する暴力防止についての計画です。どちらもウェブで「中間のまとめ」を読み、メールで意見を送ることができます。

 文字数の制約から、この記事では日経DUALの読者層の関心が特に高いと思われる、仕事と子育てに関連する項目を紹介します。これは「東京都女性活躍推進計画」(本記事では「女活計画」と略します)に記されています。